まず要点だけ
① 健診は「入国前」と「入国後」で分かれる
技能実習生の健康診断は、来日前に送り出し国で受けるものと、来日後に受け入れ企業が実施するものに分かれます。
母国で受けていても、日本の医療機関で受け直すのが原則です。母国の健診は日本の法定項目と内容や様式が異なり、項目が揃わないことが多いためです。
② 受け入れ企業がやる健診は2つ(+特殊)
| 種類 | いつ | ポイント |
|---|---|---|
| 雇入時健康診断 | 入社時 (雇入れの直前または直後) | 11項目・省略不可。胸部レントゲン必須。全員が対象。 |
| 定期健康診断 | 年1回 (前回から1年以内ごと) | 全員が対象。一部の項目は医師の判断で省略できる。 |
| 特定業務従事者健診 | 年2回 (6か月以内ごと) | 深夜業(22時〜5時)などに従事する人。項目は定期健診と同じ(胸部レントゲンは1年以内ごとに1回でよい)。 |
| 特殊健康診断 | 業務に応じて | 有機溶剤・粉じん・特定化学物質など有害業務に就く場合のみ。 |
※「特定業務」の深夜業は、6か月を平均して1か月あたり4回以上(おおむね週1回以上)深夜の時間帯に働く人が対象です。
③ いつ受ける?(タイムライン)
- STEP 1 ── 来日前送り出し国で健診結核(胸部レントゲン)を含む健康診断を受けます。受け入れ企業は監理団体経由で実施状況を確認しておきます。
- STEP 2 ── 入社時(雇入れの直前または直後)雇入時健診を日本で日本の医療機関で11項目を受診。入社前3か月以内に同じ項目の健診を受け結果を提出できれば省略できますが、母国の結果では項目が揃わないことが多く、受け直すのが一般的です。
- STEP 3 ── その後1年以内ごと定期健診(毎年1回)毎年1回の定期健診。深夜業に就く人は6か月ごと(年2回)になります。
④ 雇入時健診の「11項目」
雇入時健診は労働安全衛生規則で項目が決まっており、項目の省略はできません(定期健診は医師の判断で一部省略できますが、雇入時は不可)。
- 既往歴・業務歴の調査
- 自覚症状・他覚症状の有無の検査
- 身長・体重・腹囲・視力・聴力
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量・赤血球数)
- 肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
- 血中脂質検査(LDL・HDL・中性脂肪)
- 血糖検査
- 尿検査(糖・蛋白)
- 心電図検査
⑤ どこで受けられる?(病院ならどこでも、ではない)
健診には胸部レントゲン・血液検査・心電図などの設備が必要で、普通の町の診療所では対応していないことが多いです。種類によって受診先が変わります。
| 健診の種類 | 主な受診先 |
|---|---|
| 雇入時・定期健診 (一般健診) | 「企業健診(雇入時・定期)」を扱う病院・クリニック、健診センター、労働衛生機関(全国労働衛生団体連合会の加盟機関など)、各地の予防医学協会。胸部レントゲン等の設備があり、健診メニューを用意している所を選び、事前予約します。 |
| 特殊健診 (有害業務) | 有機溶剤・特定化学物質・鉛・粉じん(じん肺)・電離放射線などの専門検査が必要で、町医者では対応できないことが多いです。労働衛生機関や労災病院など、その特殊健診を扱う専門機関で受けます。 |
⑥ 費用・記録・報告
⑦ 結果に所見があったら(要再検査・要精密検査・結核など)
健診は「受けて終わり」ではありません。結果はAからEなどで区分され、D=要再検査・要精密検査、E=要治療です。異常の所見があった人については、会社は医師の意見を聴き(健診日または結果提出から3か月以内。所見があった人全員が対象で、従業員50人未満でも義務)、必要に応じて就業上の措置(労働時間の短縮、深夜業・作業の変更、配置転換など)をとります。
要再検査・要精密検査のとき
会社は本人に再検査・精密検査の受診を勧めます。一般健診の再検査・精密検査は原則として本人負担(健康保険が使えます)ですが、受診しやすいよう会社が案内・配慮するのが望ましい対応です。技能実習生は言葉の壁があるため、結果の説明や受診の案内は通訳ややさしい日本語で行い、放置されないようにします。
結核ってどんな病気?(30秒)
もし結核になったら(症状の進み方)
結核はゆっくり進むのが特徴で、初期は風邪によく似ています。ただし自然には治りません。進み具合の目安です。
気づきたい
要注意
危険
結核が疑われたとき
胸部レントゲンで結核が疑われたら、すぐに就業させず、医療機関で精密検査(喀痰検査など)を受けます。感染性の結核と診断された場合は、感染症法に基づき就業が制限され、感染力がなくなるまで休養・入院して治療します(保健所が関与し、治療費は公費の対象になります)。感染力がないと確認されれば、通院治療をしながら就業に戻れます。
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