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受け入れ企業の実務

技能実習生が帰国するとき、会社がやること

実習を終えて帰国するとき、受け入れ企業には税金・社会保険・在留カードの返納など、出国の前後でやることがいくつもあります。「いつ・何を・どこへ」を時系列で整理しました。手続きが多いので、出国の1か月前から逆算して動くのが安心です。とくに帰国旅費の負担と在留カードの扱い(日本に戻る予定があるとき)は要注意です。

帰国までの逆算タイムライン。1か月前に住民税の払い方と受取口座、2週間前に出国前の年末調整と納税管理人の届出、出国日に在留カードの返納(戻る予定があるなら返納しない)、帰国後に脱退一時金の請求。帰国旅費を本人に負担させることはできない。
帰国は出国の約1か月前から逆算。くわしくは下の各章で。

まず要点だけ

旅費を本人に払わせない自己都合の帰国でも同じ
在留資格が残るならカードは返さない返すと、戻るのに一からやり直し
手続きは4つ税金・社会保険・在留カード・雇用保険
出国の1か月前から動く最終給与の締めに間に合わせる

① 帰国旅費は誰が負担する?(本人負担はなぜダメ)

帰国旅費は監理団体が負担する決まりです。実務では、監理費として受け入れ企業が負担していることがほとんどです。

本人に払わせる自己都合の帰国でもできません
監理団体・会社が払う空港までの移動費も含みます

本人に払わせると、どうなるか

  1. お金が用意できない旅費を本人負担にする
  2. 帰国できない在留期限を過ぎる
  3. 不法残留・失踪「本人が勝手に残った」では済まない
  4. 受け入れ側の処分認定取消し・1〜5年の受入れ停止

※ 出典:技能実習制度運用要領(厚生労働省・外国人技能実習機構)。育成就労でも、帰国旅費の本人負担禁止の考え方は引き継がれる見込みです。

② 帰国までのタイムライン(会社・本人がやること)

会社がやることと、本人が片づけること(会社が案内)に分けています。最終給与で精算するものが多いので、給与の締めから逆算します。

会社の担当者が実習生と書類を確認しているイラスト。

③ 税金の手続き(住民税・所得税)

出国してしまうと徴収が難しくなるので、出国前に片づけるのが基本です。

住民税(前年の所得)最終給与から一括徴収。異動届は退職の約1か月前までに市区町村へ
所得税(その年の所得)出国時に年末調整。できなければ納税管理人を届け出る
1〜5月に出国すると、住民税が出国後に決まる1月1日に日本にいた人には、6月からの年度分がかかる。納め方を市区町村と相談(納税管理人を立てることも)

※ 1〜5月退職は一括徴収が原則、6〜12月退職は本人の申し出による。賞与など国内源泉所得が残るときは20.42%の源泉に注意。くわしくは 技能実習生の年末調整・税金。

④ 社会保険・年金と脱退一時金の準備

会社は資格喪失の届出を、本人は帰国後に脱退一時金を請求します。書類は出国前にそろえるのが肝心です。

健康保険・厚生年金資格喪失届は5日以内に年金事務所へ。保険証は回収
脱退一時金(本人が請求)6か月以上加入なら、日本を離れてから2年以内に請求できる

出国前にそろえる4つ

※ 帰国後、転出(除票)を済ませてから日本年金機構へ郵送します。脱退一時金から差し引かれる20.42%の所得税は、本人が希望すれば還付の申告で取り戻せます(任意。そのときは本人が納税管理人を立てます)。保険の全体像・脱退一時金の計算例(3年で約66万円など)は 技能実習生の社会保険。

⑤ 在留カードの返納(※日本に戻る予定があるなら要注意)

決め手は出国する日に在留資格が残っているかです。「特定技能で戻る予定があるか」では決まりません。

出国の日、在留カードをどうするか。決め手は在留資格が残っているか。①在留期限が残っていて期限内に戻る一時帰国なら返納しない、みなし再入国許可による出国の欄にチェックし1年以内に再入国。②在留期限までに特定技能1号への変更が間に合わないときは、出る前に特定活動6月・就労可へ変更すれば返納しない。③在留資格が切れて帰る本帰国は空港で返納し、あとで特定技能で来日するときは新しいCOEと新しい在留カード。
技能実習から特定技能への移行は、一時帰国しなくても日本国内で在留資格を変更できます。一時帰国する場合だけ、①②に注意してください。

②の「特定活動(6月・就労可)」とは

特定技能1号の書類が在留期限までに揃わないとき、働きながら準備できる在留資格です。日本にいるあいだに変更するもので、帰国してから海外で取るものではありません。

在留期間は6か月更新はやむを得ない事情があれば1回だけ
同じ会社で働ける特定技能1号と同じ業務・同じ報酬
試験免除はそのまま技能実習2号を良好に修了した人
特定技能の通算5年に入る通算4年6か月を超える人は対象外
建設は受入計画の申請中の書類申請者メニュー画面かメールの写し
審査中の出国は先に確認地方出入国在留管理局へ
申告忘れ・期限切れで在留資格は消える戻らないと決まったら14日以内に郵送で返納(おだいば分室あて)
会社がカードやパスポートを預かる返納は本人がするもの。取り上げて保管するのは法律で禁止

※ 出典:出入国在留管理庁「在留カード等の返納」「みなし再入国許可」「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)」。

⑥ 雇用保険・外国人雇用状況の届出

どちらもハローワークへ。雇用保険に入っていたかどうかで出す書類が変わります。

雇用保険に入っていた資格喪失届を10日以内に。外国人雇用状況の届出も兼ねられる
入っていなかった外国人雇用状況の届出を翌月末までに。怠ると30万円以下の罰金

※ 加入や届出の全体像は 技能実習生の社会保険 もあわせてご覧ください。

⑦ 途中で帰国するとき(中途帰国)

上の手続きに加えて、次の3つが要ります。大前提は本人の意思です。

  1. 意思を書面で確認本人の意に反して帰国させない
  2. 機構へ届出技能実習実施困難時届出書を遅滞なく
  3. 旅費は本人に払わせない自己都合でも会社・監理団体が負担

※ 出典:外国人技能実習機構「技能実習実施困難時の届出」。

「辞めたい」と言われた段階の話は、別の記事にまとめています。
理由の聞き分け、監理団体への相談、引き止めていいかどうかの線引き、転籍の申出書(参考様式第1-44号)まで → 技能実習生に「辞めたい」と言われたら

帰国時にやることチェック

出国日が決まったら、この順で逆算します。くわしくは②のタイムラインへ。

  1. 1〜2か月前航空券・住民税の異動届・(中途なら)機構へ届出
  2. 出国前住民税の一括徴収・年末調整・脱退一時金の書類
  3. 出国当日在留カードの扱いは⑤で判断
  4. 出国後資格喪失届・外国人雇用状況の届出・脱退一時金

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