まず要点だけ
① 帰国旅費は誰が負担する?(本人負担はなぜダメ)
帰国旅費は監理団体が負担する決まりです。実務では、監理費として受け入れ企業が負担していることがほとんどです。
本人に払わせると、どうなるか
- お金が用意できない旅費を本人負担にする
- 帰国できない在留期限を過ぎる
- 不法残留・失踪「本人が勝手に残った」では済まない
- 受け入れ側の処分認定取消し・1〜5年の受入れ停止
※ 出典:技能実習制度運用要領(厚生労働省・外国人技能実習機構)。育成就労でも、帰国旅費の本人負担禁止の考え方は引き継がれる見込みです。
② 帰国までのタイムライン(会社・本人がやること)
会社がやることと、本人が片づけること(会社が案内)に分けています。最終給与で精算するものが多いので、給与の締めから逆算します。
-
出国の約1〜2か月前段取り・予約・本人確認会社がやること
- 帰国日・航空券の手配(旅費は会社/監理団体負担)
- (中途帰国なら)本人の意思を書面で確認+機構へ届出(⑦)
- 住民税の給与所得者異動届出書を市区町村へ
本人がやること(会社が案内)- 母国への送金・銀行口座の解約準備
- 荷物の発送・お土産の購入
- 携帯電話・電気/ガス/水道の解約手配
-
出国前(最終給与まで)税金・精算・脱退一時金の準備会社がやること
- 住民税の一括徴収(最終給与から)
- 所得税の出国時年末調整または納税管理人の届出
- 寮費・貸与品の精算/健康保険証の回収準備
本人がやること(会社が案内)- 脱退一時金の請求書類をそろえる(④参照)
- 市区町村へ転出届
-
出国当日(空港)在留カードの扱い会社がやること
- 空港までの送り出し・最終確認
- パスポート・在留カードを取り上げない
本人がやること(会社が案内)- 在留資格が切れて帰るときだけ、出国審査で在留カードを返納。残っているなら出さない(⑤)
- 期限内に戻る → みなし再入国許可で出国(⑤)
-
出国後(5日〜14日以内など)各種喪失届・本人の請求会社がやること
- 健康保険・厚生年金の資格喪失届(年金事務所へ5日以内)
- 雇用保険の資格喪失届+外国人雇用状況の届出(ハローワーク)
本人がやること- 帰国後に脱退一時金を請求
③ 税金の手続き(住民税・所得税)
出国してしまうと徴収が難しくなるので、出国前に片づけるのが基本です。
※ 1〜5月退職は一括徴収が原則、6〜12月退職は本人の申し出による。賞与など国内源泉所得が残るときは20.42%の源泉に注意。くわしくは 技能実習生の年末調整・税金。
④ 社会保険・年金と脱退一時金の準備
会社は資格喪失の届出を、本人は帰国後に脱退一時金を請求します。書類は出国前にそろえるのが肝心です。
出国前にそろえる4つ
- 脱退一時金請求書
- 基礎年金番号がわかるもの
- パスポートの写し
- 本人名義の受取口座ゆうちょ・一部ネット銀行は不可
※ 帰国後、転出(除票)を済ませてから日本年金機構へ郵送します。脱退一時金から差し引かれる20.42%の所得税は、本人が希望すれば還付の申告で取り戻せます(任意。そのときは本人が納税管理人を立てます)。保険の全体像・脱退一時金の計算例(3年で約66万円など)は 技能実習生の社会保険。
⑤ 在留カードの返納(※日本に戻る予定があるなら要注意)
決め手は出国する日に在留資格が残っているかです。「特定技能で戻る予定があるか」では決まりません。
②の「特定活動(6月・就労可)」とは
特定技能1号の書類が在留期限までに揃わないとき、働きながら準備できる在留資格です。日本にいるあいだに変更するもので、帰国してから海外で取るものではありません。
※ 出典:出入国在留管理庁「在留カード等の返納」「みなし再入国許可」「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)」。
⑥ 雇用保険・外国人雇用状況の届出
どちらもハローワークへ。雇用保険に入っていたかどうかで出す書類が変わります。
※ 加入や届出の全体像は 技能実習生の社会保険 もあわせてご覧ください。
⑦ 途中で帰国するとき(中途帰国)
上の手続きに加えて、次の3つが要ります。大前提は本人の意思です。
- 意思を書面で確認本人の意に反して帰国させない
- 機構へ届出技能実習実施困難時届出書を遅滞なく
- 旅費は本人に払わせない自己都合でも会社・監理団体が負担
※ 出典:外国人技能実習機構「技能実習実施困難時の届出」。
「辞めたい」と言われた段階の話は、別の記事にまとめています。
理由の聞き分け、監理団体への相談、引き止めていいかどうかの線引き、転籍の申出書(参考様式第1-44号)まで → 技能実習生に「辞めたい」と言われたら
帰国時にやることチェック
出国日が決まったら、この順で逆算します。くわしくは②のタイムラインへ。
- 1〜2か月前航空券・住民税の異動届・(中途なら)機構へ届出
- 出国前住民税の一括徴収・年末調整・脱退一時金の書類
- 出国当日在留カードの扱いは⑤で判断
- 出国後資格喪失届・外国人雇用状況の届出・脱退一時金
「誰がいつ満了・帰国予定か」、一覧で持っていますか?
AMSTIは外国人材の勤怠・在留期限・労務書類をまとめて管理するシステム。従業員ごとの在留期限や満了日を一元化でき、帰国・更新のスケジュールを前もって把握して、慌てずに手続きの準備を進められます。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。
1か月無料ではじめるクレジットカード登録は不要です。/登録せずにデモを触る/機能と料金を見る
ご相談はメールで問い合わせ/083-242-6157(平日 9:00〜17:00)
関連記事|帰国・トラブル対応
帰国やトラブル対応に関する記事です。



