AMSTI外国人材の勤怠・支援管理 サービスを見る
受け入れ企業の実務

技能実習生が失踪したら?会社がやること・防ぐためにできること

技能実習生の失踪は、どの受け入れ企業にも起こりうる問題です。起きてしまったら、機構や警察などへの届出を急いで進める必要があり、対応を誤ると会社が受け入れ停止などのペナルティを受けることもあります。一方で、失踪の多くは労働条件や支援体制の見直しで防げます。起きたときの対応と、防ぐためにできることを整理しました。

まず要点だけ 失踪が起きたら、①監理団体に連絡 → ②機構(OTIT)へ技能実習実施困難時届出 → ③警察へ行方不明届 → ④入管へ連絡 → ⑤給与精算・資格喪失手続きを急いで進めます。会社側に原因(低賃金・不適正な環境)がある場合、1年・3年・5年の受け入れ停止優良要件の減点(3号不可・人数枠の縮小)につながることも。失踪理由の多くは「賃金が低い」「労働環境への不満」適正な賃金と支援体制で防げます

① なぜ失踪が起きるのか(最多の理由は「低賃金」)

失踪と聞くと「本人が勝手に逃げた」と思いがちですが、国の調査を見ると、原因の多くは受け入れ側の労働条件にあります。失踪動機でいちばん多いのは「低賃金」で、約7割を占めます。

低賃金(賃金が低い・契約より低い・最低賃金以下など)67.2%
実習後も日本で働きたい(もっと稼ぎたい)17.8%
指導が厳しい12.6%
労働時間が長い7.1%
暴力を受けた4.9%

※ 出典:法務省「失踪技能実習生の現状」聴取票調査(失踪後に摘発された2,870人・複数回答)。失踪動機は「低賃金」が67.2%で最多。実習先の月給は「10万円以下」が半数以上を占めていました。失踪者数は近年も高水準で、2023年は過去最多の9,753人。多くは受け入れ企業側の労働条件・支援体制を見直すことで予防できる要素です。

② 失踪が起きたら、すぐやること

連絡が取れない・無断で来なくなった、というときは、早く動くほど本人の安全確認にも、会社を守ることにもつながります。次の順で進めます。

  1. 監理団体に連絡(団体監理型):まず監理団体に報告し、以降の届出を相談しながら進めます。
  2. 機構(OTIT)へ技能実習実施困難時届出:失踪は「実習の継続が困難になった場合」に当たります。技能実習実施困難時届出書遅滞なく機構へ提出します(団体監理型は監理団体が中心に手続き)。
  3. 警察へ行方不明届:事件・事故に巻き込まれている可能性もあるため、所轄の警察署へ行方不明届を出します。
  4. 入管(地方出入国在留管理局)へ連絡:在留資格にかかわるため、入管にも連絡します。
  5. 給与精算・退職にともなう手続き失踪日までの賃金を精算し、健康保険・厚生年金・雇用保険の資格喪失届外国人雇用状況の届出などを進めます。
本人にも重いリスクがあることを、ふだんから伝えておく 失踪して在留資格の活動をやめると、不法残留・不法就労となり、本人は強制送還や再入国の制限を受けるおそれがあります。「困ったら逃げる」のではなくまず相談すること、逃げると本人が大きく損をすることを、日ごろから伝えておくことが大切です。

③ 届出を怠るとどうなる

失踪時の届出は法律上の義務です。「いなくなったから、もういい」と放置するのは禁物です。

届出をしないこと自体が、行政処分の対象 監理団体・受け入れ企業には、失踪時に機構・入管へ届け出る義務があります。これを怠ると、それ自体が行政処分(改善命令・許可や認定への影響など)の対象になり得ます。隠す・遅らせるほど、会社の立場は悪くなります。速やかに正しく届け出ることが、結果的に会社を守ります。

④ 会社へのペナルティ(受け入れ停止・優良減点)

失踪が起きたとき、会社側にその原因(低賃金・長時間労働・不適正な環境など)があったかどうかで、影響の重さが変わります。

影響内容
受け入れの停止会社側に原因(不正・不適正な環境など)がある場合、違反の内容に応じて1年・3年・5年のいずれかの期間、技能実習生を受け入れられなくなることがあります。
優良要件の減点失踪者を出すと、優良な実習実施者・監理団体の要件で減点。その結果、技能実習3号(最長5年)の受け入れができない受け入れ人数枠が縮小する、といった不利益につながります。
計画認定への影響受け入れの管理体制に問題があると判断されると、技能実習計画の認定・更新に影響することがあります。

※ 優良要件・人数枠のしくみは 技能実習の人数枠 でも解説しています。

⑤ 失踪を防ぐためにできること

失踪は「起きてから対応」より、「起きないようにする」のが何より大切です。原因の多くが賃金・環境である以上、受け入れ企業の取り組みで予防できます

「逃げる前に相談」を当たり前にする 多くの失踪は、不満や不安が見えないまま積み重なって起きます。日ごろからこまめに声をかけ、賃金・労働時間を正しく運用し、相談しやすい関係をつくっておく——この積み重ねが、いちばんの失踪対策です。

失踪への備えチェック

「起きたとき」と「防ぐため」の両面でまとめます。

  1. 起きたら急いで届出:監理団体 → 機構(実施困難時届出)→ 警察 → 入管 → 給与精算・資格喪失。遅らせない・隠さない
  2. 原因が会社側だと重い:低賃金・不適正な環境が原因なら、1〜5年の受け入れ停止優良減点も。
  3. 賃金・労働時間を適正に:最低賃金・残業代を守り、同等以上の報酬に。
  4. 相談体制と記録:母国語で相談できる体制+勤怠・賃金・相談の記録で、早期に気づける状態に。

適正な賃金・労働時間、記録できていますか?

失踪を防ぐ土台は、最低賃金・残業代を守った適正な賃金と、長時間労働をさせない労働時間管理です。AMSTIは外国人材の勤怠・賃金・労務書類をまとめて管理するシステム。日々の出勤入力から労働時間や賃金を正しく記録でき、適正な受け入れの証明と、変化の早期把握に役立ちます。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。

AMSTIを見る

関連記事|帰国・トラブル対応

帰国やトラブル対応に関する記事です。