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受け入れ企業の実務

技能実習生が失踪したら?会社がやること・防ぐためにできること

技能実習生の失踪は、どの受け入れ企業にも起こりうる問題です。起きてしまったら、機構や警察などへの届出を急いで進める必要があり、対応を誤ると会社が受け入れ停止などのペナルティを受けることもあります。一方で、失踪の多くは労働条件や支援体制の見直しで防げます。起きたときの対応と、防ぐためにできることを整理しました。

技能実習生の失踪の動機は、低賃金が67.2%で最多。次いで実習後も日本で働きたいが17.8%、指導が厳しいが12.6%、労働時間が長いが7.1%、暴力を受けたが4.9%(複数回答)。失踪が起きたら、監理団体へ連絡 → 機構へ技能実習実施困難時届出 → 警察へ行方不明届 → 入管 → 給与精算・資格喪失手続き、の順で急ぐ。出典は法務省の失踪技能実習生の現状の聴取票調査。
動機の最多は「低賃金」で67.2%。起きたら監理団体・機構・警察・入管の順で急ぐ。

まず要点だけ

起きたら急いで届出監理団体→機構(実施困難時届出)→警察→入管→給与精算・資格喪失
会社側に原因なら受け入れ停止1年間は計画認定されず、認定取消しなら5年間受け入れ不可。優良要件の減点も(3号不可・人数枠縮小)
失踪理由の多くは賃金・環境「賃金が低い」「労働環境への不満」
適正な賃金と支援体制で防げる相談しやすい関係づくりも

① なぜ失踪が起きるのか(最多の理由は「低賃金」)

失踪と聞くと「本人が勝手に逃げた」と思いがちですが、国の調査を見ると、原因の多くは受け入れ側の労働条件にあります。失踪動機でいちばん多いのは「低賃金」で、約7割を占めます。

低賃金(賃金が低い・契約より低い・最低賃金以下など)67.2%
実習後も日本で働きたい(もっと稼ぎたい)17.8%
指導が厳しい12.6%
労働時間が長い7.1%
暴力を受けた4.9%

※ 出典:法務省「失踪技能実習生の現状」のうち平成29年に行われた聴取の結果(失踪後に摘発された2,870人・複数回答。法務省が2018年11月に集計を修正して国会に提出。日本経済新聞 2018年11月16日、件数は衆議院 質問主意書(第197回国会))。失踪動機は「低賃金」が67.2%で最多でした。失踪者数は2023年に過去最多の9,753人となったあと、2024年は6,510人、2025年は3,950人(速報値・出入国在留管理庁)と減っています(→ 失踪はなぜ2年で6割減ったのか)。多くは受け入れ企業側の労働条件・支援体制を見直すことで予防できる要素です。

② 失踪が起きたら、すぐやること

連絡が取れない・無断で来なくなった、というときは、早く動くほど本人の安全確認にも、会社を守ることにもつながります。次の順で進めます。

  1. 監理団体に連絡まず報告し、届出を相談
  2. 機構へ実施困難時届出遅滞なくOTITへ(団体監理型は監理団体が中心)
  3. 警察へ行方不明届所轄の警察署へ
  4. 入管へ連絡地方出入国在留管理局
  5. 給与精算・資格喪失失踪日までの賃金、社会保険の資格喪失届、外国人雇用状況の届出
失踪すると本人も不法残留・不法就労強制送還や再入国の制限のおそれ
「逃げる前にまず相談」を日ごろから伝える逃げると本人が大きく損をする

③ 届出を怠るとどうなる

失踪時の届出は法律上の義務です。「いなくなったから、もういい」と放置するのは禁物です。

届出を怠る・隠す・遅らせるそれ自体が行政処分(改善命令・許可や認定への影響など)の対象
速やかに正しく届け出る機構・入管への届出義務。結果的に会社を守る

④ 会社へのペナルティ(受け入れ停止・優良減点)

失踪が起きたとき、会社側にその原因(低賃金・長時間労働・不適正な環境など)があったかどうかで、影響の重さが変わります。

影響内容
受け入れの停止会社(または監理団体)の責めに帰すべき事由で行方不明者を出すと、その後1年間は新たな技能実習計画が認定されません(技能実習法施行規則第12条第1項第12号の2)。不正などで実習認定を取り消されると、取消しの日から5年間は欠格となり受け入れできません(技能実習法第16条・第10条第7号)。
優良要件の減点失踪者を出すと、優良な実習実施者・監理団体の要件で減点。その結果、技能実習3号(最長5年)の受け入れができない、受け入れ人数枠が縮小する、といった不利益につながります。
計画認定への影響受け入れの管理体制に問題があると判断されると、技能実習計画の認定・更新に影響することがあります。

※ 優良要件・人数枠のしくみは 技能実習の人数枠 でも解説しています。

⑤ 失踪を防ぐためにできること

失踪は「起きてから対応」より、「起きないようにする」のが何より大切です。原因の多くが賃金・環境である以上、受け入れ企業の取り組みで予防できます。

「逃げる前に相談」を当たり前にこまめな声かけ・賃金と労働時間の正しい運用・相談しやすい関係づくり

失踪への備えチェック

「起きたとき」と「防ぐため」の両面でまとめます。

起きたら急いで届出監理団体→機構→警察→入管→給与精算・資格喪失。遅らせない・隠さない
原因が会社側だと重い1年間の認定不可・取消しなら5年の欠格や優良減点も
賃金・労働時間を適正に最低賃金・残業代を守り、同等以上の報酬に
相談体制と記録母国語で相談できる体制+勤怠・賃金・相談の記録

適正な賃金・労働時間、記録できていますか?

失踪を防ぐ土台は、最低賃金・残業代を守った適正な賃金と、長時間労働をさせない労働時間管理です。AMSTIは外国人材の勤怠・賃金・労務書類をまとめて管理するシステム。日々の出勤入力から労働時間や賃金を正しく記録でき、適正な受け入れの証明と、変化の早期把握に役立ちます。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。

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