まず要点だけ
① 技能実習は「原則 転籍できない」
技能実習は、技能実習計画にもとづいて同じ受け入れ企業で実習を続けるのが原則です。本人の都合(給料が高い会社に移りたい等)での転職はできません。これは「技能の習得」という制度の目的があるためです。
ただし、本人に責任のない事情で実習の継続が難しくなったときは、次の「やむを得ない事情による転籍」で実習先を変えられます。
② やむを得ない事情なら転籍できる
自分(実習生)の責めによらない事情で実習が続けられないときは、転籍が認められます。次のような場合です。
| やむを得ない事情の例 |
|---|
| 受け入れ企業の経営上・事業上の都合(倒産・廃業・事業縮小など) |
| 技能実習の認定の取消し |
| 暴行・各種ハラスメントなどの人権侵害(暴言・脅迫・強要・セクハラ・マタハラ・パワハラなど) |
| 重大・悪質な法令違反、契約違反(賃金の不払いなど) |
※ 逆に言えば、ハラスメントや賃金不払いなどがあると「やむを得ない事情」として転籍の対象になります。適正な受け入れが、結果的に人材の定着にもつながります。
③ 育成就労では本人都合の転籍が条件付きで可能に(2027〜)
技能実習に代わって2027年4月に始まる育成就労では、技能実習では原則できなかった本人都合の転籍が、一定の条件のもとで認められます。これが両制度の最大の違いの一つです。
本人都合で転籍するには、次の条件をすべて満たす必要があります。
本人都合の転籍の条件(すべて満たす)
同じ会社での在籍がどれくらい必要か(転籍まで)は、分野によって1年と2年に分かれます。
| 必要な在籍期間 | 分野 |
|---|---|
| 2年 | 多くの分野(介護・建設・製造業 など) |
| 1年 | 宿泊/ビルクリーニング/リネンサプライ/鉄道/物流・倉庫/農業/漁業/林業/木材産業(人手不足が特に深刻な分野) |
※ 期間は分野ごとに1年または2年で、分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)で定められています。最新は出入国在留管理庁・厚生労働省の情報をご確認ください。
これなら転籍OK/これはNG(本人都合の場合の例)
これなら転籍できる
これはできない
※ これは本人都合の転籍の例です。倒産やハラスメントなどのやむを得ない事情がある場合は、上の条件を満たさなくても転籍できます(②参照)。
※ 育成就労は2027年4月施行予定で、就労期間など分野ごとの詳細は政省令で順次具体化されます。最新の内容は出入国在留管理庁・厚生労働省の情報をご確認ください。育成就労の準備は 育成就労の準備 も参考にしてください。
④ 賃金で都会に勝てない…地方企業はどう選ばれ続ける?
育成就労で転籍が解禁されると、最低賃金の高い都市部へ人材が流れやすくなります(例:東京は時給1,200円台、地方は1,000円前後)。地方企業が時給で真っ向勝負するのは簡単ではありません。でも、選ばれ続ける会社になるための「賃金以外の価値」があります。
※ もちろん賃金は最低賃金以上・日本人と同等以上が大前提です。そのうえで「お金以外の価値」を積み上げるのが、転籍時代の定着策です。
⑤ 受け入れ企業がやること・備え
育成就労では「転籍はあり得る」前提に変わります。費用をかけて受け入れた人材に定着してもらうための備えが大切です。
「誰がいつまで・どんな状況か」、把握できていますか?
AMSTIは外国人材の勤怠・在留期限・労務書類をまとめて管理するシステム。従業員ごとの在留期限や日々の勤務状況を一元化でき、定着管理や突然の異動への気づきに役立ちます。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。
1か月無料ではじめるクレジットカード登録は不要です。/登録せずにデモを触る/機能と料金を見る
ご相談はメールで問い合わせ/083-242-6157(平日 9:00〜17:00)
関連記事|在留資格・制度・将来
在留資格・制度・将来に関する記事です。


