技能実習日誌とは(誰が・いつ作る?)
技能実習日誌は、技能実習が技能実習計画のとおりに行われていることを記録するための書類です。技能実習法施行規則にもとづき、実習実施者(受け入れ企業)が作成し、事業所ごとに備え付けることが求められています。様式は「参考様式第4-2号」が用意されています。
記録するのは、実習生が「どの業務に従事し」「どのような指導を受けたか」。つまり日々の実習の実態を残す書類なので、実際に指導にあたった人の記録が中心になります。
記入する4つの項目
技能実習日誌(参考様式第4-2号)に記入する基本の項目は次の4つです。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 日付 | 実習を行った日付。 |
| 従事させた業務 | その日に従事させた業務。技能実習計画の「実習実施予定表」の業務番号と対応させて記載します。 |
| 指導の内容 | その業務について、どのような指導を行ったかを具体的に。ここは実際に指導した内容を書く欄で、日誌の核心部分です。 |
| 指導者の氏名 | その日に指導を担当した人の氏名。技能実習指導員でなくても、実際に指導した人で構いません。 |
記載例 — そのまま粒度の参考にできる3日分
「従事させた業務」「指導の内容」は、次のくらいの粒度で書けば十分です(建設系の例)。長文は必要なく、何をさせ、何を教えたかが分かることが大切です。
| 日付 | 従事させた業務 | 指導の内容 |
|---|---|---|
| 7/6(月) | 墨出し作業(必須業務) | 基準墨からの寸法の追い出し手順を実演して見せ、誤差の確認方法を指導 |
| 7/7(火) | 資材の搬入・整理(周辺業務) | 搬入経路の安全確保と、保管時の転倒防止措置について指導 |
| 7/8(水) | 墨出し作業(必須業務)・安全衛生 | 脚立作業時の三点支持と、保護具の着用点検を指導 |
※業務名は、認定を受けた技能実習計画の「実習実施予定表」の業務名に合わせます。番号を併記しておくと、あとから見返すときや監査時の確認がスムーズです。
「指導の内容」の文例パターン(毎日同じ文言にしないために)
- 「〜の手順を実演して見せ、注意点を説明した」(新しい作業を教えた日)
- 「前回指摘した〜が改善されているかを確認し、助言した」(反復の日)
- 「〜を一人で行わせ、仕上がりを確認して講評した」(習熟を確認した日)
- 「〜の危険箇所と安全確認の方法を指導した」(安全衛生の日)
区分ごとに分けて作成する
次のように条件が異なる場合は、まとめずに分けて作成します。
- 技能実習の区分(第1号・第2号・第3号)が異なる場合
- 技能実習の期間が異なる場合
- 従事させる業務が異なる場合
複数の実習生がいて区分や業務が違うときは、それぞれの実態に合わせて作成しましょう。
必須業務・関連業務・周辺業務 — 割合のルール
技能実習で従事させる業務は3つに区分され、時間の割合に基準があります(技能実習制度運用要領)。
| 区分 | 内容 | 時間の割合 |
|---|---|---|
| 必須業務 | 技能等の修得のために必ず行う中核の業務 | 全体の2分の1以上 |
| 関連業務 | 必須業務に関連し、技能の修得に役立つ業務 | 全体の2分の1以下 |
| 周辺業務 | 必須業務に従事する人が通常携わる業務 | 全体の3分の1以下 |
※それぞれの区分の中で、10分の1以上は安全衛生に係る業務にあてる必要があります。
技能実習日誌は、監査や実地検査で「実習実施予定表どおりに実習したか」を確かめる材料になります。「従事させた業務」欄を予定表の業務名で書いておくと、どの区分の業務かが分かりやすく、確認もスムーズです。予定表にない業務が発生した場合の対応は、下の「よくある間違い・注意点」を参考にしてください。
作成の頻度と保存義務
技能実習日誌は月ごとに作成するのが基本です。また、技能実習に関する帳簿書類は、技能実習が終了した日から1年以上、事業所に保存することが必要とされています。監査や実地検査の際に提示を求められることがあるため、いつでも出せる状態にしておきましょう。
よくある間違い・注意点
1. 「指導の内容」を毎日同じ文言で埋めてしまう
指導の内容は、本来その日に実際に行った指導を書く欄です。毎日まったく同じ定型文だけが並んでいると、実態を反映していない形式的な日誌と見なされかねません。実習の進み方に合わせて記録しましょう。
2. 実習実施予定表にない業務をさせてしまった
3. 記入漏れ・提出直前のまとめ書き
月末や監査前にまとめて書こうとすると、記入漏れや記憶頼みの記載になりがちです。日々こまめに記録するほど、正確で手間も少なくなります。
2027年の「育成就労」への移行について
技能実習制度は、2027年4月に「育成就労制度」へ移行する予定です。ただし約3年の移行期間が設けられ、当面は技能実習制度と併存します。日誌の様式や名称も今後変わる可能性がありますが、急いで対応を迫られるものではありません。まずは現行の技能実習日誌を正しく作成・保存しておくことが大切です。最新の様式・運用は、厚生労働省や外国人技能実習機構(OTIT)の情報を確認してください。
様式(参考様式第4-2号)の入手先
技能実習日誌の様式や記入例は、公的機関のサイトから入手できます。
※制度・様式は改訂されることがあります。実際の作成にあたっては、最新の様式と、所属する監理団体の案内を確認してください。
作業が1人ずつ違う職種は、技能実習日誌も「1人ずつ」
技能実習日誌は、複数の実習生を別紙「技能実習生一覧表」でまとめて作成できます。ただしこれは、全員が同じ職場で同じ作業をする工場型のケース。建設・造船・自動車整備・介護など、実習生1人1人が別の現場・担当で違う作業をする職種では、同じ日誌でまとめられず、1人ずつ個別の日誌が必要になります。実習生が10人いれば日誌は10枚。手書きなら、作成の手間は人数分です。
1人ずつの日誌づくりが、人数分の手間になっていませんか?
外国人材の勤怠管理システム「AMSTI」は、日々の出勤入力をもとに、技能実習日誌の下書きを様式に沿って用意します。日付・業務・実習計画番号の転記や、出勤簿との二重入力をなくし、記入漏れも防ぎます。実習生ごとに作業が違っても、各自の入力から1人ずつの日誌をまとめて用意できます。
※「指導の内容」など、実際の指導の記録はご自身で入力していただく前提です。日誌づくりの“手間”の部分をラクにする仕組みです。
30日間 無料でお試しいただけます(クレジットカード登録は不要)。
よくある質問
技能実習日誌は誰が書くのですか?
実習実施者(受け入れ企業)が作成し、事業所ごとに備え付けます。「指導の内容」と「指導者の氏名」は、実際に指導にあたった人の記録を書きます。
どのくらいの頻度で作成しますか?
月ごとに作成するのが基本です。日々こまめに記録しておくと、正確で手間も減ります。
どのくらい保存が必要ですか?
技能実習に関する帳簿書類は、技能実習が終了した日から1年以上、事業所に保存することが必要とされています。
実習計画にない業務をさせてしまったら、どう書きますか?
計画と実習がずれたときは、日誌の書き方で調整するのではなく、監理団体(または機構)に相談して、必要なら計画変更の手続きで解消するのがいちばん安全です。
2027年に育成就労へ変わったら、今の日誌は無駄になりますか?
いいえ。移行期間中は技能実習制度も併存します。まずは現行の様式で正しく作成・保存しておくことが大切です。
必須業務ばかりをさせても大丈夫ですか?
割合の基準は「必須業務が2分の1以上・関連業務が2分の1以下・周辺業務が3分の1以下」です。必須業務の比率が高い分には問題ありません。認定を受けた実習実施予定表に沿っていることがポイントです。
ネット上の記載例をそのまま写してもいいですか?
形式はそのまま参考にして問題ありません。日誌は1日の主な業務と指導を代表して書けば足りるもので、細かい作業をすべて書き分ける必要はありません。文例の言い回しを使いつつ、その日の主な業務・指導に置き換えてください。
本記事は受け入れ実務の一般的な解説であり、最新の制度・様式は厚生労働省・外国人技能実習機構(OTIT)の公式情報および所属する監理団体の案内をご確認ください。
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