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受け入れ企業の実務

技能実習生の最低賃金、いくら?業種で変わる?

技能実習生にも最低賃金は当然に適用されます。地域別と産業別(特定)の違い、業種で変わる点、日本人と同等以上の「同等報酬」、計算で入る賃金・入らない賃金まで、受け入れ企業の目線で早わかりに。

技能実習生の最低賃金は3つのうちいちばん高いものに合わせる。地域別最低賃金は都道府県ごとに決まり毎年10月ごろ改定され全員にかかる。特定(産業別)最低賃金は鉄鋼・電子部品・自動車関連・機械器具製造など一部の業種だけにあり、地域別と両方かかるなら高い方。さらに同じ作業をする日本人と同等以上の同等報酬を満たす必要があり、実習生だけ安くすることはできない。金額は説明用の例。
地域別・特定(産業別)・同等報酬。いちばん高いものに合わせる。(金額は説明用の例)

まず要点だけ

技能実習生も最低賃金の対象国籍に関係なし
地域別と特定(産業別)の2種類両方かかるなら高い方
日本人と同等以上も必要技能実習の「同等報酬」
比べるのは毎月の一部の賃金基本給など。割増・通勤などは除く

① 技能実習生にも最低賃金は適用される

最低賃金は国籍・在留資格に関係なくすべての労働者に適用されます。技能実習生も日本人と同じで、最低賃金を下回る賃金は認められず、下回ると罰則の対象になります。

② 最低賃金は2種類(ここが業種で変わる)

最低賃金には次の2つがあります。

地域別最低賃金都道府県ごとに決まり、その県で働く全員にかかる。毎年10月ごろ改定
特定(産業別)最低賃金一部の業種だけにあり、地域別より高い。鉄鋼・電子部品・自動車関連・機械器具製造などの製造業が中心
両方かかるなら「高い方」まず自社の業種に特定最賃があるかを確認
地域別(例)1,101円
VS
特定・産業別(例)1,150円

→ 適用は 高い方の1,150円(金額は説明用の例)

※令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金は、最高が東京都1,280円(10月1日から)、最低が宮崎県1,085円(10月24日から)、全国加重平均は1,177円です。発効日は10月1日〜12月2日で都道府県により異なり、発効日の前日までは令和7年度の額(最高1,226円・最低1,023円)です。発効日は予定で、変わることがあります(厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金 答申状況」)。自社の県の額と月給の下限は計算ツールで出せます。

③ 技能実習ならではの「同等報酬」

技能実習では、最低賃金を満たすだけでは足りません。技能実習計画の認定基準として、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上の報酬(同等報酬)が求められます。

たとえば、同じ作業をする日本人パートが時給1,200円なら、技能実習生だけを最低賃金(例:1,101円)にすることはできません。計画の認定申請では、就業規則・賃金規定などで同等であることを示す資料の提出が必要です。

④ 最低賃金に「入る賃金・入らない賃金」

最低賃金を満たすかは、支払う賃金すべてではなく毎月支払われる基本的な賃金で比べます。次のものは比較から除きます。

最低賃金に入る入らない(除外)
基本給時間外・休日・深夜の割増賃金
毎月の職務手当 など精皆勤手当・通勤手当・家族手当
毎月の住宅手当 など賞与(1か月を超えるごとに払うもの)

月給制は時給に換算して比べます。月給(除外分を引いた額)÷ 1か月の平均所定労働時間 で1時間あたりを出し、最低賃金額と比較します。

計算例

比べる賃金=158,000円基本給148,000+職務手当5,000+住宅手当5,000(皆勤20,000・通勤2,000は除外)
時給に直すと約940円158,000円÷月平均所定168時間。すべての都道府県で最低賃金(令和8年度は1,085円以上)を下回りNG

⑤ 賞与・手取り・控除の考え方

賞与(ボーナス)

賞与の支給は法律上の義務ではありません。ただし、同じ業務の日本人に賞与を出している場合は、同等報酬・同一労働同一賃金の観点から、技能実習生にも同様に扱うのが原則です。なお賞与(1か月を超えるごとに払うもの)は、最低賃金や割増賃金の計算には含めません。

手取りの目安

手取りは、総支給から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険、40歳以上は介護保険)と税金(所得税・住民税)を引いた額です。ざっくりの目安は 総支給 × 0.7〜0.8。住民税は前年の所得をもとに計算するため、来日1年目はかからないのが通常で、2年目以降に発生します。中国など一部の国との租税条約では、「事業修習者」等に当たり、最初の給与の支払日の前日までに「租税条約に関する届出書」を出した場合に限り、所得税が免除されることがあります(国税庁)。

給与からの天引き(控除)に注意

天引きは労使協定+本人の書面合意税・社保以外(寮費・光熱費など)。賃金は全額払いが原則
水道光熱費は実費÷人数以内実際にかかった費用で
過大な控除・強制貯金は禁止トラブルや指導の原因に

居住費(家賃)の控除ルール

寮や借上げ住宅の家賃を給与から引くときのルールは4つです。

寮費は「家賃÷人数」まで借り上げは家賃(管理費・共益費を含む)を入居人数で割った額以内。自己所有は建築費・耐用年数・人数から出す合理的な額
相場より高くしない本人の賃金と近隣の家賃相場から見て、不当に高くない額にする
敷金・礼金・仲介手数料は上乗せしない毎月の寮費に含められるのは家賃・管理費・共益費まで。敷金・礼金・仲介手数料・保証金は入れない
水道光熱費は「実費÷人数」まで実際にかかった額を入居人数で割った額以内

※「手取りが○円以上」という法令上の固定額はありませんが、控除が過大で手取りが不当に低くならないようにします。実務上の手取りは月12〜16万円程度が多く、家賃控除を1名あたり2万円前後までにする例もあります(監理団体により目安は異なります)。なお自転車など生活・通勤環境の用意も望ましく、受け入れ企業は住居・家電などの生活環境を整えることが求められます。

受け入れ企業がやること(チェック)

地域別最賃を毎年確認毎年10月ごろ改定
特定(産業別)最賃があるかあれば地域別と比べて高い方
比較は毎月の基本的な賃金割増・通勤・家族・精皆勤・賞与は除く。月給は時給換算
日本人と同等以上も満たす改定月に時給割れしないか毎年見直す

改定のたびに、全員の時給割れをチェックできていますか?

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※最低賃金額は毎年改定され、都道府県・業種により異なります。最新・正確な額と適用は、厚生労働省・各都道府県労働局の公表でご確認ください。本記事は受け入れ実務の一般的な解説です。

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