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受け入れ企業の実務

監理費は1人あたり月3万円。何を外注していて、自社でやる道はあるのか

毎月払っている監理費は、何を外注している金額なのか。そして「自社でやれば安くなるのでは」という考えは成り立つのか。監理団体が法律上やらなければならない業務と、公表されている監理費の実額、企業単独型の要件を並べて確かめます。

監理費の月額は1人あたり第1号30,551円、第2号29,096円、第3号23,971円(631団体の平均)。初期費用は最初に1回341,402円。監理費は法律で4種類しか取れず、どれも実費に限られ、監理費表はインターネットで公表する義務がある。「自社で監理する」企業単独型を選べている会社は1.9%で、重い要件がある。
月額はおよそ3万円。初期費用は341,402円。自社で監理できるのは1.9%。

まず要点だけ

月額は1人あたり約3万円1号30,551円・2号29,096円・3号23,971円(631団体平均)
初期費用は平均341,402円最初に1回かかる
監理費は4種類・実費だけ監理費表はネット公表が義務
自社で監理(企業単独型)は1.9%外国の事業所か1年以上・年10億円以上の国際取引が要件

① 監理費はいくらか(631団体の公式アンケート)

相場として「月3〜5万円」と言われますが、公的な数字もあります。外国人技能実習機構が監理団体に行った調査(有効回答631団体)の平均です。

監理費の月額(技能実習生1人あたり・平均)

号が上がるほど下がる=講習や申請の手間が減るため

第1号(1年目)30,551円

第2号(2〜3年目)29,096円

第3号(4〜5年目)23,971円

出典:外国人技能実習機構「監理団体が実習実施者から徴収する監理費等に関するアンケート調査の結果」(令和3年実施・有効回答631団体)

初期費用(平均)

341,402円(中央値333,800円)/内訳の平均は職業紹介費88,350円・講習費159,579円・その他諸経費92,671円

不定期に発生する費用(平均)

154,780円/在留資格の更新や変更のたびに発生するもの

組合への入会費(平均)

67,625円/監理団体は協同組合が多く、加入が前提になります

年会費(平均)

93,211円/人数に関係なくかかる固定費です

受け入れ全体でいくらかかるか(送出管理費・行政書士費用を含む全体像)は 技能実習生の受け入れ費用 にまとめています。

② 監理費は4種類しか取れない。しかも実費だけ

監理団体は、実は手数料や報酬を受け取ってはいけないと法律で決められています。例外として認められているのが「監理費」です。

手数料・報酬は受け取れない技能実習法第28条第1項。名義を問わない
例外は「監理費」だけ第2項。適正な種類・額を、用途と金額を明示して徴収

その「適正な種類」が、施行規則第37条で4つに限定されています。

種類何の実費かいつから取れるか
職業紹介費募集・選抜の人件費、交通費、外国の送出機関へ支払う費用などの実費求人申込みの受理以降
講習費入国前・入国後講習の施設使用料、講師・通訳への謝金、教材費、講習手当などの実費(第1号のみ)講習の開始日以降
監査指導費監査・指導に要する人件費と交通費などの実費業務従事の開始以降、一定期間ごと
その他諸経費技能実習の適正な実施と実習生の保護に資する費用の実費費用の発生以降
監理費表はネットで公表が義務令和5年6月以降。業務運営規程の別表
徴収額=支出額が原則運用要領。監理費管理簿を事業所ごとに備え置き
納得いかないときはまず監理費表自分の監理団体の表を確認

③ その月3万円で外注しているもの

監理団体が法律上やらなければならない業務です。頻度まで決まっています。

監査(3か月に1回以上)

やること実地での確認/責任者・指導員から報告/実習生の4分の1以上と面談/設備の確認と帳簿書類の閲覧/宿泊施設や生活環境の確認

そのあと監査から2か月以内に監査報告書を機構へ

訪問指導(1号は毎月1回以上)

1年目の実習生については、毎月1回以上、実地で確認して必要な指導を行う。記録は訪問指導記録書として残し、事業報告書に添付

入国後講習

第1号の予定時間全体の6分の1以上(入国前に1か月以上かつ160時間以上の講習を受けていれば12分の1以上)。法的保護の科目は外部の講師が担当

相談対応・監理責任者

実習生からの相談に応じる体制。監理責任者は事業所ごとに常勤の役職員から選任し、3年以内に講習を修了していること

外部の目

指定外部役員(3か月に1回以上の確認)か外部監査人(事業所ごとに3か月に1回以上+年1回以上の監査同行)のどちらかを置く

機構への報告

監査報告書(都度・2か月以内)と事業報告書(毎年5月31日まで)。決算書類や訪問指導記録書の写しを添付

1人あたり月3万円という金額は、この頻度で人が動く前提で組まれています。監査も訪問指導も「実地」=現地に来ることが条件なので、交通費と人件費が主な中身になります。

④ 自社でやる道(企業単独型)は開いているのか

技能実習には、監理団体を通さない企業単独型という形があります。ただし、誰でも選べるものではありません。

要件1|外国に自社の事業所がある

本店・支店、親会社・子会社、子会社同士、関連会社といった関係にある外国の事業所の職員を受け入れる形

要件2|密接な関係がある外国の機関

引き続き1年以上の国際取引の実績、または過去1年間に10億円以上の国際取引の実績があること(ほかに国際的な業務提携などの個別認定あり)

技能実習計画の認定件数(令和6年度)

団体監理型312,639件/企業単独型5,933件

団体監理型 98.1%企業単独型 1.9%

出典:外国人技能実習機構「業務統計(令和6年度)」

企業単独型は全体の1.9%。海外に拠点や取引を持たない中小企業にとっては、そもそも選択肢に入っていないのが実情です。

⑤ 企業単独型にしても、自社の仕事は減らない

仮に要件を満たしていても、「監理費が浮く」と考えるのは早計です。監理団体がやっていた仕事のうち、企業単独型では自社が主体になるものがあります。

入国後講習は自社で

なくなりません。自ら又は委託して実施します。ただし法的保護の科目に外部講師が必要なのは団体監理型だけで、企業単独型はこの科目の修了までは業務に就かせない、という整理です

届出・報告はすべて自社

実施の届出、毎年の実施状況報告、帳簿の備付け(入国前・入国後講習の実施状況の記録が追加)。実習が困難になったときも機構へ直接届け出ます

監査は無くなるが、検査は来る

監理団体の監査・訪問指導に対応する義務規定はありません。代わりに機構の実地検査を受けます。帰国旅費の負担も自社です

つまり、外注していたのは「監査という第三者の目」と「手続の代行」であって、記録を作る仕事そのものではありません。ここは団体監理型でも企業単独型でも、自社に残ります。

⑥ 2027年、監理支援機関になる条件は重くなる

2027年4月1日からの育成就労制度では、監理団体は監理支援機関という新しい許可制度に移ります。許可の要件は、いまより明確に重くなります。

外部監査が必須に

技能実習では「指定外部役員か外部監査人」の選択制でしたが、育成就労では外部監査が必須。外部監査人の氏名は機構がインターネットで公表します

常勤の人数に下限

監理支援の実務に従事する常勤の役職員が、2人以上かつ受入企業数÷8かつ外国人数÷40を超えること(申請時点で2人以上が必須)

独立性と言語

受入企業の役職員や二親等以内の親族は、その企業の監理支援に関与できません。相談対応は「十分に理解することができる言語」でと明文化されました

この要件を満たせない団体は移行できません。監理費の水準や、いまの監理団体が移行できるかどうかは、これから見えてくる話です。移行の見込みは早めに聞いておきたいところです。→ 監理団体の選び方・変更/監理団体はいま何団体?

受け入れ企業として押さえておくこと

監理費は「実費」しか取れない種類は4つ。監理費表はネットで公表
払っているのは主に人の移動監査3か月に1回・1年目の訪問指導は毎月(実地)
自社で監理する道はほぼ無い企業単独型は1.9%。外国拠点か国際取引が前提
記録は自社に残る出勤簿・賃金台帳・実習日誌・宿泊施設の状況
2027年に条件が変わる外部監査必須化・常勤者数の下限。移行見込みを確認

外注できるのは「監査」、外注できないのは「記録」

3か月に1回の監査で見られるのは、帳簿書類・出勤の記録・宿泊施設の状況です。監理団体に監理を任せても、その材料をそろえるのは受け入れ企業の仕事として残ります。AMSTIは外国人材の勤怠・在留・労務書類をまとめて管理するシステム。日々の出勤入力から、技能実習日誌・出勤簿・賃金台帳・有給管理簿までを1人ずつ整えられます。監査の前に慌てて作る必要がなくなります。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。

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