① 監理団体は3,755団体。新規許可は5年で4分の1に
技能実習の監理団体は、外国人技能実習機構(OTIT)の許可を受けた協同組合などの非営利団体です。総数と、その年度に新しく許可を受けた数を並べると、見え方がかなり変わります。
監理団体の総数(各年度末)
年度末=翌年3月31日現在/目盛りは0〜4,500団体(公表は令和3年度末以降のため4年分)
その年度に新しく許可を受けた監理団体
目盛りは0〜600件
出典:外国人技能実習機構「業務統計」令和2年度〜令和6年度
※ 一般監理事業(3号まで受け入れ可)と特定監理事業の違いは 監理団体は変えられる?選び方と乗り換えの手続き で解説しています。令和7年3月末の内訳は一般2,130団体・特定1,625団体です。
② 「自社で監理する」は5年間ずっと約2%
監理団体を通さず、自社だけで技能実習生を受け入れる方法は制度上あります。「企業単独型」です。実際にどれくらい選ばれているのでしょうか。
外部(監理団体)か、自社か
令和6年度の技能実習計画 認定件数の構成比
企業単独型が占める割合の推移
1号・2号・3号の合計/目盛りは0〜5%
構成比は四捨五入のため合計が100%にならないことがあります。出典:外国人技能実習機構「業務統計 概要」各年度
5年間、ほぼ2%のまま動いていません。企業単独型は海外の現地法人や取引先の職員を受け入れる形が想定されているため、そもそも使える企業が限られます。技能実習では「監理団体を通す」がほぼ唯一の選択肢と考えてよい数字です。
③ 1団体あたり、何人の実習生を見ているか
令和7年12月末の技能実習生は455,721人。監理団体3,755団体で割ると、1団体あたり約120人という計算になります。
もちろん実態は偏っていて、数人しか受け入れていない組合もあれば、千人規模を扱う組合もあります。それでも「1団体あたり100人強」という規模感は、監査(原則3か月に1回)や訪問指導(1号は毎月1回以上)をどれだけこなす必要があるかを考えるうえで目安になります。
※ 監理団体数は令和7年3月末、技能実習生数は令和7年12月末の数字です。時点が異なります。
④ 実地検査の結果と、許可を取り消された68団体
OTITは監理団体・実習実施者に対して実地検査を行い、結果を毎年公表しています。監理団体側の数字は次のとおりです。
実地検査で技能実習法違反が確認された監理団体の割合
目盛りは0〜100%
実地検査を行った団体数は令和2年度3,363/令和3年度4,162/令和4年度4,634/令和5年度4,537/令和6年度4,457。全団体に毎年入るわけではないため、この割合は「監理団体全体の何割が違反している」という意味ではありません。出典:外国人技能実習機構「業務統計 概要」各年度
数字だけ見ると高く感じますが、中身の多くは書類・体制に関するものです。令和6年度の違反内容は「監理団体の運営・体制に関するもの」1,842件(35.5%)、「実習実施者の監理・指導に関するもの」1,593件(30.7%)、「帳簿等の作成・備付け、届出の提出に関するもの」889件(17.1%)が中心でした。
許可を取り消された監理団体は、累計68団体
実地検査での指摘とは別に、悪質な事案は許可の取消しという行政処分になります。処分を受けた団体は、団体名・所在地・処分理由まで入管庁が公表しています。制度が始まってからの累計は68団体です。
監理団体の許可が取り消された件数(年度別)
目盛りは0〜20団体/令和8年度は7月28日時点
取消しの理由(累計68件の内訳)
公表されている処分理由の文章を分類したもの。複数に当てはまる場合は主なものに寄せています(目盛りは0〜25件)
出典:出入国在留管理庁「監理団体に対する許可の取消し」「技能実習法に基づく行政処分等の状況」(令和8年7月28日現在)。分類はAMSTIによるもので、公的な区分ではありません
実地検査で多い指摘が「帳簿・届出」であるのに対し、取消しまで至る理由は「記録を偽った」「監査を実施していなかった」に集中しています。記録が不備なだけなら指導ですが、記録を作り変えると処分になる、という線引きが読み取れます。
※ 処分を受けた団体の名称・所在地・処分理由は、出入国在留管理庁の 公表情報(監理団体一覧、行政処分等ほか) で誰でも確認できます。改善命令を受けた団体(累計41団体)も同じページに掲載されています。
⑤ 毎年70〜100団体が、静かに抜けている
取消しはあくまで一部です。総数の増減と新規許可の数を突き合わせると、団体の出入りが見えてきます。
| 年度 | 新規許可 | 総数の増減 | 差し引き=抜けた団体 | うち許可取消し |
|---|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 223件 | +127 | 約96団体 | 12団体 |
| 令和5年度 | 168件 | +86 | 約82団体 | 5団体 |
| 令和6年度 | 105件 | +37 | 約68団体 | 6団体 |
⑥ 数字の出どころと、次に更新される時期
この記事の数字はすべて公的統計です。ご自身で確認したいときは、次から辿れます。
| 数字 | 出どころ | 更新のタイミング |
|---|---|---|
| 監理団体の数・許可件数・実地検査 | 外国人技能実習機構「業務統計」 | 年1回(毎年10月ごろ) |
| 許可の取消し・改善命令(団体名・理由つき) | 出入国在留管理庁「公表情報(監理団体一覧、行政処分等ほか)」 | 随時 |
| 技能実習生の在留者数 | 出入国在留管理庁「在留外国人統計」 | 年2回 |
受け入れ企業として押さえておくこと
- 選択肢が減るわけではない:新規参入は減っていますが、既存の団体は更新して残っています。乗り換え先がなくなる状況ではありません。
- 「自社でやる」は例外:企業単独型は5年間ずっと約2%。技能実習では監理団体を通すのが標準で、制度上もそれ以外の道はほぼありません。
- 処分歴は名前で調べられる:許可を取り消された監理団体は団体名と理由つきで公表されています(累計68団体)。委託先を選ぶとき・乗り換えるときは、まずここを見るのが確実です。
- 2027年の切り替えを織り込む:いまの監理団体が監理支援機関に移行する見込みかを、早めに確認しておきたいところです。
監理団体に任せても、記録を残すのは自社の仕事
監理団体に監理を任せても、出勤の記録・賃金台帳・技能実習日誌・在留期限の管理といった日々の労務管理は受け入れ企業の責任で続きます。実地検査で指摘される「帳簿・届出」も、その多くはここが土台です。AMSTIは外国人材の勤怠・在留・労務書類をまとめて管理するシステム。いつ何を求められても、必要な記録をすぐ用意できます。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。
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