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受け入れ企業の実務

監理団体はいま何団体?数の推移と、許可を取り消された68団体

監理団体は増えているのか、減っているのか。公的統計をたどると、総数はほぼ横ばいなのに、新しく許可を受ける団体は5年で4分の1になっていました。数の推移と、その裏側で起きていることを整理します。

まず要点だけ 技能実習の監理団体は3,755団体(令和7年3月末)。総数はほぼ横ばいですが、新たに許可を受けた団体は5年で434件→105件と大きく減りました。減っていないのは既存の団体が更新して残っているからで、実際には毎年70〜100団体が抜けています「自社で監理する」企業単独型は5年間ずっと約2%。許可を取り消された団体は累計68団体で、理由は虚偽の記録と監査の未実施に集中しています。

① 監理団体は3,755団体。新規許可は5年で4分の1に

技能実習の監理団体は、外国人技能実習機構(OTIT)の許可を受けた協同組合などの非営利団体です。総数と、その年度に新しく許可を受けた数を並べると、見え方がかなり変わります。

監理団体の総数(各年度末)

年度末=翌年3月31日現在/目盛りは0〜4,500団体(公表は令和3年度末以降のため4年分)

3,505 3,632 3,718 3,755
令和3年度末令和4年度末令和5年度末令和6年度末

その年度に新しく許可を受けた監理団体

目盛りは0〜600件

434件 277件 223件 168件 105件
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度令和6年度

出典:外国人技能実習機構「業務統計」令和2年度〜令和6年度

新規参入は減り、既存の団体が残っている 新規許可は令和2年度の434件から令和6年度は105件へ、5年でおよそ4分の1。それでも総数が減っていないのは、既存の団体が更新して残っているからです。「新しく入ってくる団体は少ないが、いまいる団体は動いていない」という状態と読めます。

※ 一般監理事業(3号まで受け入れ可)と特定監理事業の違いは 監理団体は変えられる?選び方と乗り換えの手続き で解説しています。令和7年3月末の内訳は一般2,130団体・特定1,625団体です。

② 「自社で監理する」は5年間ずっと約2%

監理団体を通さず、自社だけで技能実習生を受け入れる方法は制度上あります。「企業単独型」です。実際にどれくらい選ばれているのでしょうか。

外部(監理団体)か、自社か

令和6年度の技能実習計画 認定件数の構成比

団体監理型 98.1%
団体監理型(監理団体を通す) 98.1%企業単独型(自社監理) 1.9%

企業単独型が占める割合の推移

1号・2号・3号の合計/目盛りは0〜5%

1.8% 1.6% 1.9% 1.9% 1.9%
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度令和6年度

構成比は四捨五入のため合計が100%にならないことがあります。出典:外国人技能実習機構「業務統計 概要」各年度

5年間、ほぼ2%のまま動いていません。企業単独型は海外の現地法人や取引先の職員を受け入れる形が想定されているため、そもそも使える企業が限られます。技能実習では「監理団体を通す」がほぼ唯一の選択肢と考えてよい数字です。

③ 1団体あたり、何人の実習生を見ているか

令和7年12月末の技能実習生は455,721人。監理団体3,755団体で割ると、1団体あたり約120人という計算になります。

もちろん実態は偏っていて、数人しか受け入れていない組合もあれば、千人規模を扱う組合もあります。それでも「1団体あたり100人強」という規模感は、監査(原則3か月に1回)や訪問指導(1号は毎月1回以上)をどれだけこなす必要があるかを考えるうえで目安になります。

※ 監理団体数は令和7年3月末、技能実習生数は令和7年12月末の数字です。時点が異なります。

④ 実地検査の結果と、許可を取り消された68団体

OTITは監理団体・実習実施者に対して実地検査を行い、結果を毎年公表しています。監理団体側の数字は次のとおりです。

実地検査で技能実習法違反が確認された監理団体の割合

目盛りは0〜100%

41.7% 49.4% 56.7% 51.8% 59.7%
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度令和6年度

実地検査を行った団体数は令和2年度3,363/令和3年度4,162/令和4年度4,634/令和5年度4,537/令和6年度4,457。全団体に毎年入るわけではないため、この割合は「監理団体全体の何割が違反している」という意味ではありません。出典:外国人技能実習機構「業務統計 概要」各年度

数字だけ見ると高く感じますが、中身の多くは書類・体制に関するものです。令和6年度の違反内容は「監理団体の運営・体制に関するもの」1,842件(35.5%)、「実習実施者の監理・指導に関するもの」1,593件(30.7%)、「帳簿等の作成・備付け、届出の提出に関するもの」889件(17.1%)が中心でした。

許可を取り消された監理団体は、累計68団体

実地検査での指摘とは別に、悪質な事案は許可の取消しという行政処分になります。処分を受けた団体は、団体名・所在地・処分理由まで入管庁が公表しています。制度が始まってからの累計は68団体です。

監理団体の許可が取り消された件数(年度別)

目盛りは0〜20団体/令和8年度は7月28日時点

1 4 13 13 12 5 6 9 5
H30R元R2R3R4R5R6R7R8

取消しの理由(累計68件の内訳)

公表されている処分理由の文章を分類したもの。複数に当てはまる場合は主なものに寄せています(目盛りは0〜25件)

虚偽の記録・書類の提出22件
監査・訪問指導が不適切18件
送出機関との協定に違約金などの条項10件
名義貸し(他人に監理事業を行わせた)7件
入国後講習が不適切1件
その他(不法就労助長、旅券の保管など)10件

出典:出入国在留管理庁「監理団体に対する許可の取消し」「技能実習法に基づく行政処分等の状況」(令和8年7月28日現在)。分類はAMSTIによるもので、公的な区分ではありません

実地検査で多い指摘が「帳簿・届出」であるのに対し、取消しまで至る理由は「記録を偽った」「監査を実施していなかった」に集中しています。記録が不備なだけなら指導ですが、記録を作り変えると処分になる、という線引きが読み取れます。

※ 処分を受けた団体の名称・所在地・処分理由は、出入国在留管理庁の 公表情報(監理団体一覧、行政処分等ほか) で誰でも確認できます。改善命令を受けた団体(累計41団体)も同じページに掲載されています。

⑤ 毎年70〜100団体が、静かに抜けている

取消しはあくまで一部です。総数の増減と新規許可の数を突き合わせると、団体の出入りが見えてきます。

年度新規許可総数の増減差し引き=抜けた団体うち許可取消し
令和4年度223件+127約96団体12団体
令和5年度168件+86約82団体5団体
令和6年度105件+37約68団体6団体
自主的な廃止の件数は公表されていない 抜けた団体の大半は、処分ではなく自分から事業をやめた、または許可の有効期間を更新しなかったものと考えられます。ただし事業廃止の件数は公表されていないため、内訳までは分かりません。上の「抜けた団体」は総数と新規許可からの差し引きで、AMSTIが計算した概算です。

⑥ 数字の出どころと、次に更新される時期

この記事の数字はすべて公的統計です。ご自身で確認したいときは、次から辿れます。

数字出どころ更新のタイミング
監理団体の数・許可件数・実地検査外国人技能実習機構「業務統計」年1回(毎年10月ごろ)
許可の取消し・改善命令(団体名・理由つき)出入国在留管理庁「公表情報(監理団体一覧、行政処分等ほか)」随時
技能実習生の在留者数出入国在留管理庁「在留外国人統計」年2回
2027年4月からは「監理支援機関」の数に変わる 育成就労制度が令和9年(2027年)4月1日に施行され、監理団体は監理支援機関という新しい許可制度に移ります。許可の施行日前申請は令和8年4月15日からすでに受付が始まっており、育成就労計画の認定は令和8年9月1日からです。いまの3,755団体のうちどれだけが移行するかは、これから明らかになります。詳しくは 育成就労制度の準備 をご覧ください。

受け入れ企業として押さえておくこと

  1. 選択肢が減るわけではない:新規参入は減っていますが、既存の団体は更新して残っています。乗り換え先がなくなる状況ではありません。
  2. 「自社でやる」は例外:企業単独型は5年間ずっと約2%。技能実習では監理団体を通すのが標準で、制度上もそれ以外の道はほぼありません。
  3. 処分歴は名前で調べられる:許可を取り消された監理団体は団体名と理由つきで公表されています(累計68団体)。委託先を選ぶとき・乗り換えるときは、まずここを見るのが確実です。
  4. 2027年の切り替えを織り込む:いまの監理団体が監理支援機関に移行する見込みかを、早めに確認しておきたいところです。

監理団体に任せても、記録を残すのは自社の仕事

監理団体に監理を任せても、出勤の記録・賃金台帳・技能実習日誌・在留期限の管理といった日々の労務管理は受け入れ企業の責任で続きます。実地検査で指摘される「帳簿・届出」も、その多くはここが土台です。AMSTIは外国人材の勤怠・在留・労務書類をまとめて管理するシステム。いつ何を求められても、必要な記録をすぐ用意できます。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。

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