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受け入れ企業の実務

監理団体は変えられる?選び方と乗り換えの手続き

「今の監理団体に不満がある」「これから初めて選ぶ」——どちらも受け入れ企業によくある悩みです。じつは、監理団体は途中で変える(乗り換える)こともできます。良い監理団体の見分け方、変更の手続きと「合意書」、そして2027年の育成就労で監理団体が「監理支援機関」に変わる点まで、受け入れ企業の目線で整理しました。

まず要点だけ 監理団体はあとから変える(乗り換える)ことができます。交代するときは技能実習計画の「変更認定」を機構(OTIT)に申請し、現監理団体・実習生の合意(合意書)を得ます。選ぶときは許可番号・許可区分・不正歴・対応職種/国・母国語サポート・監理費の透明性を確認。3号(最長5年)まで受け入れたいなら、一般監理事業の許可を持つ団体を選びます。2027年からは育成就労で「監理支援機関」に変わり、外部監査人が義務化されます。

① 監理団体の役割と「一般監理/特定監理」の違い

監理団体は、技能実習生の受け入れの窓口になり、送り出し機関との橋渡し、入国後講習、受け入れ企業への定期監査(原則3か月に1回)、実習生からの相談対応などを担います(団体監理型)。まず押さえたいのが、許可の種類が2つあることです。

特定監理事業一般監理事業
監理できる区分技能実習 1号・2号1号・2号 +3号(最長5年)
許可の有効期間3年5年
優良要件不要必要(優良な監理団体のみ)
「3号(最長5年)」まで受け入れたいなら、一般監理団体を選ぶ 3号まで(合計で最長5年)実習生に働いてもらいたい場合は、一般監理事業の許可を持つ監理団体である必要があります。一般監理は、優良要件(120点満点でおおむね72点・6割以上=監査体制・実習の実績・法令順守などを点数化)を満たした団体だけが取得できます。長く受け入れたいなら、ここは要チェックです。

※ 出典:外国人技能実習機構(OTIT)/厚生労働省。監理団体は「協同組合」などの非営利団体で、法務省・厚労省の許可を受けて事業を行います。

② 良い監理団体の選び方チェック

監理団体は数が多く、サポートの質も費用もさまざまです。受け入れ企業の目線で、最低限ここは見ておきたい、というポイントを挙げます。

  1. 許可団体か(許可番号・許可区分):法務省・厚労省の許可番号を提示できるか。一般監理か特定監理か。許可番号を出せない団体は違法ブローカーの疑い
  2. 不正歴がないか:過去に許可の取消し・不正行為がないか。OTIT・入管庁の公表情報で確認できます(③参照)。
  3. 自社の職種・国に対応しているか:監理できる職種・作業と、受け入れたい送り出し国に対応しているか。
  4. 母国語サポート体制:実習生の母国語を話せる職員がいるか。相談・トラブル時の対応力に直結します。
  5. 監理費の透明性内訳が明確か。入会金1〜10万円・月額(監理費)2〜5万円が相場の目安。極端に高い/安いは要注意(高い=不要なサービス、安すぎ=サポート不足のおそれ)。
  6. 対応の速さ・丁寧さ:問い合わせへの返答が早く、根拠を示して説明してくれるか。あいまい・遅いは黄信号。
特定技能への移行も考えるなら「登録支援機関を兼ねているか」も見る 監理団体(技能実習)の多くは、特定技能の支援を行う「登録支援機関」を兼ねています。技能実習を終えた人に特定技能へ移行して長く働いてもらうことも視野に入れるなら、両方に対応できる団体を選ぶと、移行後の支援まで一貫してお願いでき、引き継ぎもスムーズです。技能実習からの移行は 技能実習から特定技能へ移行するには? で解説しています。

※ 監理費の中身(監査・訪問指導の対価など)は 技能実習生の受け入れ費用 でも解説しています。

③ 「変えたい」と思ったときの見極め

「対応が遅い」「相談しても動いてくれない」——不満があるとき、それが乗り換えるべきサインかを見極めましょう。良い監理団体と、距離を置きたい監理団体の特徴を並べます。

信頼できる監理団体
  • 許可番号・区分を明示し、契約・費用の内訳が明確
  • 定期監査をきちんと実施し、記録を残す
  • 実習生・企業の相談に母国語で迅速対応
  • 法令・最新制度(育成就労など)の情報提供がある
距離を置きたい監理団体
  • 許可番号を出さない/費用の内訳が不透明
  • 監査が形だけ・連絡しても反応が遅い
  • トラブル時に実習生を一方的に帰国させる等の対応
  • 違法・不適切な運用(書類偽装・手数料の不正など)を勧める
不正歴・取消しの調べ方 監理団体が過去に許可を取り消されていないか・不正行為で公表されていないかは、外国人技能実習機構(OTIT)や出入国在留管理庁の公表情報で確認できます。乗り換え先の候補を選ぶときも、まずここを確認すると安心です。

④ 監理団体は変えられる(乗り換えの手続き)

結論として、受け入れ企業(実習先)を変えずに、監理団体だけを変える(交代する)ことができます。ただし「黙って乗り換え」はできません。機構(OTIT)の変更認定と、関係者の合意が必要です。

  1. 乗り換え先の監理団体を決める:②③のポイントで新しい監理団体を選び、受け入れ条件・費用を確認します。
  2. 現監理団体・実習生に説明し、合意を得る:変更の理由を丁寧に説明し、現在の監理団体と技能実習生の合意を得ます。合意書を作成し、機構(OTIT)に提出します。
  3. 技能実習計画の「変更認定」を申請:監理団体の交代は、技能実習計画の変更認定にあたります。変更認定申請書を機構(OTIT)へ提出して認定を受けます。
  4. 移管・引き継ぎ:実習生の書類・実習の引き継ぎは、基本的に新旧の監理団体どうしが調整します。受け入れ企業側で特別な手続きが多く発生するわけではありません。
「名称が変わっただけ」なら、変更認定も届出も不要 監理団体を別の団体に交代する場合は変更認定が必要ですが、同じ監理団体の名称(呼び名)が変わっただけのときは、技能実習計画の変更認定や変更届出は不要です。「交代」と「名称変更」は別物として扱われます。

※ 出典:外国人技能実習機構(OTIT)「技能実習計画の変更」。具体的な様式・添付書類は、乗り換え先の監理団体やOTITに確認しながら進めます。

⑤ 変える前に確認すること

乗り換えは可能ですが、実習生の生活と実習を止めないことが大前提です。トラブルを避けるため、動く前に次を確認しましょう。

感情的な「即・乗り換え」は禁物 現監理団体ともめたまま強引に進めると、引き継ぎが滞り、実習生の在留や実習に支障が出かねません。まずは不満点を伝えて改善を求め、それでも難しい場合に、合意を取りながら計画的に進めるのが安全です。

⑥ 2027年〜「監理支援機関」へ変わる(育成就労)

2027年4月に施行される育成就労制度では、いまの「監理団体」は「監理支援機関」に変わり、許可要件が厳しくなります。受け入れ企業として知っておきたい変化はここです。

  1. 外部監査人が「義務」に:これまで任意だった外部監査人の選任が完全義務化。技能実習で使えた「指定外部役員」という選択肢は廃止されます。
  2. 外部監査人は独立した立場:受け入れ企業や監理支援機関の関係者(過去5年の役職員、近い親族、顧問契約などの密接関係者)はなれません。身内によるチェックを排し、監査の中立性を高める狙いです。
  3. 監査の頻度:外部監査人は、監理支援機関への定期監査(3か月に1回以上)と、受け入れ企業への同行監査(1年に1回以上)を担います。
いま付き合う監理団体が「監理支援機関」になれるか 監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から(施行日前申請)始まっています。今の監理団体が新制度の要件を満たして監理支援機関に移行する見込みかは、乗り換え・継続を考えるうえで確認しておきたいポイントです。育成就労全体の準備は 育成就労の準備 で解説しています。

※ 出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」/厚生労働省。制度の詳細は2026〜2027年に順次確定するため、最新情報をあわせてご確認ください。

監理団体を選ぶ・変えるときのチェック

受け入れ企業の目線で、要点をまとめます。

  1. 許可を確認:許可番号・許可区分(一般/特定)・不正歴。3号(最長5年)まで受け入れたいなら一般監理事業の団体。
  2. 中身を比較:対応職種・国/母国語サポート/監理費の内訳/対応の速さ。
  3. 変えるときは合意と認定:現監理団体・実習生の合意書+技能実習計画の変更認定(OTIT)。引き継ぎは新旧の監理団体が調整。
  4. 実習生を止めない:契約の解約条件・違約金、在留更新や号移行の時期を避けて、余裕をもって。
  5. 2027年の育成就労:監理支援機関化・外部監査人義務化。今の団体が移行できるか確認。

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