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受け入れ企業の実務

技能実習の3つの役割:責任者・指導員・生活指導員

技能実習生を受け入れる会社は、「技能実習責任者」「技能実習指導員」「生活指導員」の3つの役割を、事業所ごとにそれぞれ1名以上決めなければなりません。「誰がなれるの?」「資格は?」「1人で兼任していい?」「講習は必須?」——よくある疑問を、要件・講習・兼任の可否まで、受け入れ企業の目線で整理しました。

まず要点だけ 受け入れ企業(実習実施者)は、事業所ごとに技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を各1名以上選任します。全員常勤の役職員から。技能実習指導員は「教える技能の経験5年以上」技能実習責任者は「3年ごとの講習が義務」。要件さえ満たせば1人が複数を兼任OK(小さな会社では社長が責任者+生活指導員、ベテランが指導員、が一般的)。2027年の育成就労では、3つとも養成講習が義務化される見込みです。

① 受け入れ企業が決める3つの役割(早見)

「監理団体」が受け入れの窓口や監査をするのに対し、会社の中で実習生を直接みる人がこの3つです。まずは全体像から。

統括する人

技能実習責任者

  • 実習全体を統括・管理
  • 指導員・生活指導員を監督
  • 講習が3年ごと義務
技能を教える人

技能実習指導員

  • 現場で技能を指導
  • その技能の経験5年以上が必要
  • 講習は任意(推奨)
生活を支える人

生活指導員

  • 生活面の相談・指導
  • トラブル・体調・生活ルール
  • 講習は任意(推奨)
役割誰がなれる講習
技能実習責任者常勤の役職員で、指導員・生活指導員などを監督できる立場の人3年ごと義務
技能実習指導員常勤の役職員で、その事業所に属し、教える技能の経験が5年以上ある人任意(推奨)
生活指導員常勤の役職員で、その事業所に属する人任意(推奨)
「常勤の役職員」とは? = 役員+従業員(常勤の人) 役職員は、会社の役員(取締役など)と従業員(社員)の両方を指す言葉です。要件はこれを常勤(フルタイム)に限ったもの。常勤の目安は週5日以上・年217日以上・週30時間以上の勤務です。常勤であれば社長などの役員でも3役に就けます(小さな会社では社長が責任者+生活指導員、ベテラン社員が指導員、が定番)。一方、非常勤・短時間パート・派遣社員・社外の人・技能実習生本人は対象外です。
※ なお、人数枠を数えるときの「常勤職員数」では純粋な役員は頭数に数えませんが、それは“何人受け入れられるか”の数え方の話。ここでの“誰が担うか”の選任要件とは別のルールです。

※ 出典:外国人技能実習機構(OTIT)/技能実習法施行規則。3つの役割は事業所ごとに各1名以上選任します(複数事業所があればそれぞれに必要)。

② 技能実習責任者(統括する人)

技能実習責任者は、その事業所の実習全体を統括する責任者です。技能実習指導員・生活指導員など、技能実習に関わる職員を監督できる立場の人が就きます。

講習は「3年ごとに受講」が義務 技能実習責任者は、JITCOなど(主務大臣が認めた機関)の技能実習責任者講習を3年ごとに受講する義務があります。受講修了証明書の有効期間は3年。期限が切れたまま放置すると、技能実習計画の認定・更新に支障が出ます。更新時期を管理しておきましょう。

③ 技能実習指導員(技能を教える人)

技能実習指導員は、現場で技能を実際に教える人です。ここだけ「経験5年以上」というはっきりした要件があります。

「5年以上の経験」は“教える技能”について 5年の経験は、実習生に教えるその職種・作業についてのものが必要です。たとえば溶接を教えるなら溶接の経験5年以上、というイメージです。ベテランの職人・社員が就くのが一般的です。

④ 生活指導員(生活を支える人)

生活指導員は、実習生の仕事以外の生活面を支える人です。慣れない日本での暮らしの相談役で、トラブルや失踪を防ぐうえでも大切な役割です。

※ 寮・住居や生活用品の準備は 技能実習生の寮・住居 もあわせてご覧ください。

⑤ 1人で兼任できる?何役まで?

「うちは小さい会社で、3人も専任で置けない」——よくある悩みです。結論、要件さえ満たせば、1人が複数の役割を兼ねることができます

要件を満たせば兼任OK(小さな会社の一般的な形) 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員は、それぞれの要件を満たしていれば兼務できます。たとえば——
社長や工場長が「技能実習責任者」+「生活指導員」
ベテランの職人・社員(その技能の経験5年以上)が「技能実習指導員」
というように、2〜3役を分担・兼任するのが一般的です。条件次第では1人が3役すべてを兼ねることもできます。
兼任しても「要件」と「実態」は必要 兼任できるのは、あくまで各役割の要件を満たす場合です。技能実習指導員なら「教える技能の経験5年以上」、技能実習責任者なら「3年以内の講習修了」が要ります。また、名前だけ置いて実際にはみていない、という状態は不適切です。実際にその役割を果たせる人を充てましょう。

⑥ 講習の義務まとめ+育成就労での変化

3つの役割のうち、講習が「義務」なのは技能実習責任者だけです。指導員・生活指導員の講習は今のところ任意ですが、受けておくメリットがあります。

役割講習の扱いポイント
技能実習責任者受講義務3年ごとに受講。修了証の有効期間は3年。
技能実習指導員任意3年ごとの受講が優良な実習実施者・監理団体の要件の一つ=推奨。
生活指導員任意同上(受講が推奨)。
2027年〜の育成就労では、3つとも養成講習が「義務」になる見込み 2027年4月に施行される育成就労制度では、技能実習指導員・生活指導員にあたる役割も含め、3つの役割すべてで養成講習の受講が義務化される見込みです(技能実習では指導員・生活指導員の講習は任意でした)。当分のあいだは技能実習の講習で代替する経過措置が予定されています。育成就労全体の準備は 育成就労の準備 で解説しています。

※ 出典:JITCO「養成講習」/厚生労働省。講習の日程・申込みはJITCO等の実施機関でご確認ください(対面・オンラインあり)。育成就労の詳細は2026〜2027年に順次確定します。

選任・講習のチェック

受け入れ前・受け入れ後に確認したいポイントをまとめます。

  1. 3役を選任:技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を事業所ごとに各1名以上。全員常勤の役職員から。
  2. 指導員の経験を確認:技能実習指導員は教える技能の経験5年以上
  3. 責任者の講習:技能実習責任者講習を受講済みか・有効期限(3年)を確認。期限管理を忘れずに。
  4. 兼任の整理:小規模なら兼任でOK。ただし各要件を満たし、実際に役割を果たせること。
  5. 2027年の育成就労:3役とも養成講習が義務化される見込み。早めに受講計画を。

誰が何の担当か・講習はいつまでか、管理できていますか?

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