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受け入れ企業の実務

技能実習の書類一覧と保管期間
残す・手元に置く・本人に渡す

会社の棚にある技能実習の書類は、3つの箱に分かれます。残す期間が法律で決まっているもの、決まりは無いが手元に置くもの、そして本人に渡す・会社が持っていてはいけないもの。技能検定の合格証書の原本も、この3つめの箱に入ります。

技能実習の書類は3つの箱に仕分ける。①残す(1年・3年・5年)=帳簿・賃金台帳・健康診断個人票など。②手元に置く=認定通知書と実習実施予定表・変更届の控え・合格証書の写し。③本人に渡す・預からない=合格証書の原本・源泉徴収票・雇用証明書・旅券と在留カード。
書類は「残す」「手元に置く」「本人に渡す・預からない」の3つに分かれる。

書類を3つの箱に仕分ける(一覧)

①残す期間が法律で決まっている
  • 1年技能実習生の管理簿
  • 1年履行状況の管理簿
  • 1年技能実習日誌
  • 3年労働者名簿・雇用契約書
  • 3年賃金台帳・出勤簿
  • 3年有給休暇管理簿
  • 5年健康診断個人票
②手元に置く期間の決まりは無い
  • 計画の認定通知書と申請書の副本(実習実施予定表)
  • 軽微変更届などの控え
  • 合格証書・合格通知の写し
③本人に渡す・預からない原本は本人が持つ
  • 旅券・在留カード
  • 合格証書・合格通知の原本
  • 源泉徴収票
  • 退職証明書(雇用証明書)
  • 技能実習修了証明書

迷いやすいのは②と③です。合格証書は、原本は③で本人のもの、写しは②で会社が持つ、と1枚の書類が2つの箱に分かれます。

①残す:期間が決まっている書類(1年・3年・5年)

帰国(退職)した日から数えた保管期間。技能実習の帳簿は1年、賃金台帳・出勤簿・労働者名簿・有給管理簿は3年、健康診断個人票は5年。
帰国(退職)した日から並べると、1年・3年・5年の3つに分かれる。
書類いつから数えるか
1年技能実習の決まりで作る帳簿
技能実習生の管理簿
名簿・履歴書・雇用契約書と雇用条件書など
技能実習が終わった日
認定計画の履行状況に係る管理簿技能実習が終わった日
技能実習日誌技能実習が終わった日
3年労働基準法の書類
労働者名簿退職した日
雇入れ・退職の書類
雇用契約書など
退職した日
賃金台帳最後に記入した日(給料日のほうが後なら給料日)
出勤簿・タイムカード最後に記入した日(給料日のほうが後なら給料日)
年次有給休暇管理簿その有給を使える1年間が終わった日(その1年間も残す)
5年労働安全衛生法の書類
健康診断個人票規則に書かれていない(下で説明)

雇用契約書と賃金台帳は、技能実習の帳簿にも労働基準法の書類にも出てきます。こういう書類は長いほうの3年に合わせます。

労基法の書類「3年」は経過措置法律の本文は5年。当分のあいだ3年(2026年9月時点)。余裕があれば5年で持つと安心

技能実習の帳簿は3つ

名簿 履歴書 契約書 技能実習生 1人分 ① 技能実習生の管理簿 1人ずつ

名簿・履歴書・雇用契約書と雇用条件書・賃金台帳を、1人分ずつまとめたもの。

○月分 責任者 ② 履行状況の管理簿 毎月1枚

計画どおりか、技能と日本語の身につき具合、健康や生活のようすをチェック欄で。

1日 2日 3日 4日 ③ 技能実習日誌 毎日

その日の業務と指導の内容。実習実施予定表の番号で書く。書き方はこちら

④ 海外の取引先や子会社から直接受け入れる企業単独型では、入国前講習と入国後講習の記録(参考様式第4-3号・第4-4号)も会社の帳簿です。職種によっては、国の告示で帳簿が増えることもあります。

名簿に書く項目と、使う様式の番号
  • 名簿:氏名・国籍・生年月日・性別・在留資格と在留期間・在留カード番号・外国人雇用状況届出の届出日・技能実習計画の認定番号と期間・計画を変えたときの内容。第1号など前の計画のときの内容も消さずに残します。
  • 履歴書=参考様式第1-3号/雇用契約書と雇用条件書=参考様式第1-14号
  • 待遇がわかる書類は、労働基準法で備える賃金台帳などがあれば、それで足ります。
  • 履行状況の管理簿=参考様式第4-1号(最後に技能実習責任者の名前を入れます)/技能実習日誌=参考様式第4-2号

日付で見ると

例:2024年4月に実習を始め、第2号を終えて2027年3月31日に帰国した人。最後の給料日は4月25日。
  1. 第2号が終わって帰国・退職
  2. 最後の給料日
  3. 技能実習の帳簿(第1号の分から全部)
  4. 労働者名簿・雇用契約書
  5. 賃金台帳・出勤簿(給料日から数える)
  6. 健康診断個人票(退職日から数えた場合)
技能実習の帳簿は電子・スキャンでも可条件:求められたらすぐ画面に出して印刷できること(労基法書類の電子保存は対象外)
技能実習の帳簿は、実習をしている事業所の棚に置いておく。

②手元に置く:期間の決まりが無い書類

何年残すという決まりは見当たらないものの、実習のあいだ毎日・毎月使う書類です。

計画の認定通知書と申請書の副本

計画が認定されると、認定通知書に申請書の副本が付いて届きます。実習実施予定表もこの中です。毎月の履行状況の管理簿には「認定通知書の保管 有・無」の欄があり、日誌は予定表の番号で書きます。

軽微変更届などの控え

届け出た日と変えた内容は、技能実習生の名簿に書く項目です。控えそのものを何年残すかの決まりは確認できません。

合格証書・合格通知の写し

第2号・第3号の計画を申請するとき、前の段階の合格証書(または合格通知)の写しを付けます。優良要件の点数も、直近3年の合格実績で数えます。

この3つは、技能実習の帳簿と同じ棚に置き、実習が終わってから1年は一緒に残しておくと扱いやすいです(決まりではなく、この記事の提案です)。合格証書の写しは、優良要件の申告に使うなら3年は残します。

③本人に渡す・預からない書類

旅券・在留カード預からない

会社や監理団体が保管することは、技能実習の法律で禁止されています。名簿には在留カードの番号だけ控えます。

合格証書・合格通知の原本すぐ本人へ

監理団体や会社が試験の実施機関から受け取っても、保管せずに速やかに本人へ手渡すと運用要領に書かれています。会社は写しを取って②の箱へ。

源泉徴収票1か月以内

年の途中で退職した人には、退職した日から1か月以内に渡します。帰国の日が決まったら、最後の給料の計算と一緒に準備しておくと渡しそびれません。

退職証明書(雇用証明書)頼まれたら

本人から求められたら、遅れずに出します。書くのは、使った期間・仕事の種類・地位・賃金・退職の理由のうち、本人が求めたものだけです。

技能実習修了証明書任意

国(法務省・厚生労働省)が職種ごとに様式を用意していて、会社か監理団体が発行できます。義務ではありません。英語・タガログ語・ベトナム語など7言語の様式があります。

帰国するフィリピンの人から「雇用証明書」を頼まれたら

帰国の前後に、フィリピンの技能実習生から「Certificate of Employment(雇用証明書)」を頼まれることがあります。帰国してから連絡が来ることもあります。

フィリピンでは、退職した人から求められたら、3日以内に雇用証明書を出すよう国の通達(2020年)で決まっています。フィリピン労働雇用省は2026年1月にも、この決まりを守るよう会社に呼びかけました。本人にとっては、次の職場に出すのが当たり前の書類です。

通達の解説では、書くのは勤めた期間と仕事の内容で、違反や処分のことは書かないとされています。日本の退職証明書と同じく、書く中身をしぼる考え方です。英語で、勤めた期間と仕事の内容を書きます。

〇〇〇〇株式会社(会社名・住所・電話番号)
CERTIFICATE OF EMPLOYMENT

This is to certify that Mr./Ms. 〇〇〇〇 has been employed in our company from 〇〇 〇〇〇〇 to 〇〇 〇〇〇〇, holding the position of 〇〇〇〇(職種・作業).

This certification is issued upon the request of the above person.

〇〇〇〇年〇月〇日 代表取締役 〇〇〇〇 印
見本(名前や日付はすべて伏せ字)。書くのは、勤めた期間と仕事の内容だけ。

帰国の前と、片づける前の確認

源泉徴収票を用意する退職日から1か月以内。帰国前に渡せば郵送不要
合格証書の原本は本人へ会社に残っていたら返す。写しは会社に
旅券・在留カードは預からない会社にあれば本人へ返す
雇用証明書は頼まれたら出す書くのは期間と仕事の内容だけ
帳簿1年・労基法3年・健診5年帰国日と最後の給料日を控えておく

期限が過ぎた書類は、名簿や給料の個人情報のかたまりです。シュレッダーや溶解処理で、読めない形にして捨てます。

補足

この記事のもとになった決まり内容
技能実習法 第20条・同施行規則 第22条技能実習の帳簿の種類と、技能実習が終わった日から1年
技能実習法施行規則 第5条計画の認定通知書に申請書の副本を添えて通知
技能実習制度運用要領 第4章帳簿の中身、第2号まで続けたときの例、電子で持つときの条件、合格証書を本人へ手渡すこと
技能実習法 第48条旅券・在留カードの保管の禁止
労働基準法 第109条・附則第143条労働者名簿・賃金台帳などは5年(当分のあいだ3年)
労働基準法施行規則 第56条数え始めの日(給料日のほうが後なら給料日)
労働基準法施行規則 第24条の7・附則第71条年次有給休暇管理簿は5年(当分のあいだ3年)
労働安全衛生規則 第51条健康診断個人票は5年
労働基準法 第22条退職時の証明(求められたら遅滞なく・求められていないことは書かない)
所得税法 第226条源泉徴収票は退職した日から1か月以内に交付

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この記事に出てきた書類ごとに並べています。

ほかに 技能実習生の有給休暇(有給管理簿)と 技能実習生の健康診断(個人票)もあります。