AMSTI外国人材の勤怠・支援管理 サービスを見る
受け入れ企業の実務

技能実習の「優良」要件
うちは今、何点ですか?

優良な実習実施者は150点満点で90点以上。配点表は読みにくいので、上から順に説明しながら、その場で自社の数字を入れていける形にしました。数えてみると、たいていの会社が同じ壁に当たります——①の試験の実績が無いと、他をどれだけそろえても届きません。

優良な実習実施者は150点満点で90点以上。内訳は①技能等の修得等70点、⑤相談・支援体制45点、②体制10点、③待遇10点、⑥地域社会との共生10点、④法令違反の有無5点。①を落とすと②から⑥を全部満点にしても80点で、合格ラインの90点に10点足りない。
①(技能検定などの試験の実績)を落とすと、残り全部を満点にしても80点。90点には届かない。

合格ラインと、その前に見る「一発アウト」

優良な実習実施者かどうかは、6つの項目の合計が150点満点の6割(90点)以上かだけで決まります。項目ごとの足切りはありません。ただし、点数を数える前に見るところがあります。

実質の一発アウト(各マイナス50点)
  • 直近過去3年以内に改善命令を受けた(旧制度の改善命令相当の行政指導を含む)/改善未実施なら−50点、改善実施でも−30点
  • 自社の責めによるべき失踪があった/−50点

どちらかに当たると、他で満点近くを取っても90点には届きません。まずここを確認してから数えてください。

優良になると何が変わるか

受け入れ人数枠が2倍
  • 団体監理型の第1号=基本人数枠の2倍、第2号=4倍
  • 実習実施者と監理団体の両方が優良であることが必要
  • 枠の数え方は 人数枠の早見表
第3号技能実習(4〜5年目)ができる
  • 第3号は優良な実習実施者だけが行わせられる
  • 監理団体は一般監理事業の許可が必要
  • 優良でなければ、実習は3年で終わり

効いてくるのは人数より年数です。3年で帰す前提の会社と、5年いてもらえる会社では、教える側の計算が変わります。

試験の呼び方を整理する

配点表は「基礎級程度」「2級・3級程度」という書き方をしています。読みにくい原因のひとつがここなので、先に整理します。「程度」と付いているのは、技能検定と技能実習評価試験のどちらでもいいという意味です。

配点表の言い方技能検定なら技能実習評価試験ならいつ受けるか
基礎級程度基礎級
学科+実技
初級第1号(1年目)の目標。学科と実技の両方に合格することが第2号に進む条件
3級程度随時3級
実技
専門級第2号(2〜3年目)の目標。実技の合格が第3号に進む条件
2級程度随時2級
実技
上級第3号(4〜5年目)の目標
「随時」がつくのが技能実習生向けです 技能検定には日本人が受ける1級・2級・3級とは別に、技能実習生向けに随時実施する区分(基礎級・随時3級・随時2級)があります。配点表の「2級・3級程度」は、この随時2級・随時3級のことです。日本人が受ける通常の2級・3級とは試験の中身も申込みの経路も違います。

もうひとつ、混ぜやすいところ。随時3級・随時2級で第2号・第3号に進む条件になっているのは実技だけで、学科は任意です。配点表の「2級・3級程度の学科試験の合格者」(5点)は、受けなくてもよい学科まで受けて受かった人がいれば加点する、という位置づけになっています。

順番に数える

ここから、配点表を上から順に説明しながら、その場で自社の数字を入れていきます。分からない欄は空のままで構いません。合計点は画面の上に貼りつくので、入れながら増減が見えます。

0/150点

合格ライン 90点

STEP 1① 技能等の修得等に係る実績【最大70点】

6項目のうちいちばん配点が大きく、いちばん動かしにくいところです。中身は5つに分かれます。

Ⅰ 基礎級程度の合格率(20点/−20点)

過去3技能実習事業年度に第1号を修了した(する予定だった)実習生のうち、基礎級程度の学科と実技の両方に合格した人の割合です。やむを得ない事由で受検できなかった人は分母から引きます。95%以上で20点、75%未満だとマイナス20点。受けさせて落ちる状態を放っておくと、0点ではなく引き算になります。

入力|Ⅰ 基礎級程度の合格率最大20点
過去3事業年度に第1号を修了した実習生やむを得ない事由で受検できなかった人は、対象になった人から引いてください
対象になった人 うち合格

Ⅱ 随時2級・随時3級の実技の合格率(40点/−40点)

配点表でいちばん大きい40点。分子は単純な合格者数ではなく、(3級の合格者+2級の合格者×1.5)×1.2 という式で計算します。係数が入るので、合格率が100%を超えることがあります(1.5は日本人の3級と2級の合格率の差、1.2は3級における日本人と外国人の合格率の差を埋めるための調整です)。

表|Ⅱ の分母に入れるもの・引くもの
分母に入れるもの数え方
第2号を修了した人その事業年度中に第2号を修了した人
第3号を修了した人その事業年度中に第3号を修了した人
やむを得ない不受検者上の合計から引く。本人が辞退した場合や、一度落ちて再受検の前に実習が終わった場合はここに当たりません
旧制度の実習生修了者のうち受検した人だけを足す。足す年度は修了年度、修了後に受検したなら受検した年度
2号を修了して3号に進んだ人も外れません

2号を修了した年度に「第2号修了者」で1人、2年後に3号を修了すればその年度に「第3号修了者」でもう1人。同じ人が2回出てくることになります。分子も同じで、随時3級の合格が前の年度、随時2級の合格(×1.5)が後の年度に入ります。

入力|Ⅱ 2級・3級程度の実技の合格率最大40点
過去3事業年度に第2号・第3号を修了した実習生やむを得ない事由で受検できなかった人は、修了した人から引いてください
修了した人 随時3級に合格 随時2級に合格

(随時3級の合格者+随時2級の合格者×1.5)×1.2 ÷ 修了した人 で計算します。

Ⅱ※ 分母になる人がいないときの代わりの道(最大20点)

第2号・第3号を修了した実習生がまだいない会社は、Ⅱの合格率を計算できません。その場合はⅡの代わりに、直近3年間の随時3級の実技の合格者数で数えます。3人以上で20点。第2号の途中で受検して合格した人や、申請年度に合否が出た人も対象になります。受け入れて日が浅い会社にとっては、ここが現実的な稼ぎどころです。

入力|Ⅱ※ 随時3級の実技の合格者数最大20点
直近3年間の随時3級(実技)の合格者上のⅡで「修了した人」を入れていないときだけ使います
合格した人

Ⅲ 学科試験の合格者(5点)

随時2級・随時3級の学科に合格した人が、直近3年間に2人以上いれば5点、1人で3点。2級と3級は分けず、合計で数えます。前に書いたとおりこの学科は実習を進めるうえでは必須ではないので、受けさせるかどうかは会社の判断になります。

入力|Ⅲ 学科試験の合格者最大5点
直近3年間の随時2級・随時3級(学科)の合格者2級と3級を分けずに合計します
合格した人

Ⅳ 技能検定等の実施への協力(5点)

技能検定委員を社員(退職したOB・OGを含む)から出している、または実技試験に必要な会場・機材・設備を貸している場合に5点。ただし自社の実習生にだけ貸している場合は含みません。申請時から遡った1年間の実績で見ます。

Ⅳには専用の添付書類がありません

運用要領が①について挙げている確認対象の書類は、申告書と別紙だけ。申告書のⅣ欄に書くのは a試験の職種名/b試験実施機関名/c協力の概要 の3つで、記入例は「試験実施にあたり当社の機械を提供した(令和6年11月)」という1行です。委嘱状や依頼文は、求められたとき用に残しておく程度(OTITに確認予定)。

入力|Ⅳ 技能検定等への協力5点

STEP 2② 技能実習を行わせる体制【10点】

直近過去3年以内に技能実習指導員が全員講習を受けていれば5点、生活指導員が全員受けていれば5点。1人でも未受講なら、その5点はゼロです。ここでいう「3年」は申請日から遡った3年間で、事業年度ではありません。役割そのものの要件は 技能実習の3つの役割 に。

入力|② 体制最大10点

STEP 3③ 技能実習生の待遇【最大10点】

3つありますが、合計が10点を超えても10点までです。2つ取れば上限に届きます。賃金の比較は、受け入れている第1号のうちいちばん賃金が低い人と、その事業年度の年頭(4月1日)の最低賃金で行います。日給・月給の人は時給に換算します。4月1日の時点で第1号を受け入れていない会社は、その事業年度内で適切に比較ができる時期で比べます。

どこの最低賃金と比べるのか

比べる相手は、その実習生が働いている事業場の所在地の都道府県の地域別最低賃金です(本社ではありません)。その事業場に特定(産業別)最低賃金が適用される場合は、そちらと比べます。→ 技能実習生の最低賃金

入力|③ 待遇最大10点
Ⅰ 第1号の時給と最低賃金受け入れ中の第1号のうち、いちばん低い人の時給で判定します(115%以上=5点/105%以上=3点)
時給 最低賃金
Ⅱ 段階が上がるときの昇給率前の段階の開始時と、次の段階の開始時の基本給を比べます(5%以上=5点/3%以上=3点)
前の段階 次の段階

最低賃金の考え方寮の4.5㎡ルールもあわせて。

STEP 4④ 法令違反の有無【最大5点】

配点表での正式な項目名は「法令違反・問題の発生状況」ですが、ここで増えるのは「失踪ゼロ」の5点だけです。あとはすべて減点で、上限も5点までしかありません。減点をどう避けるかの項目だと思ってください。

失踪の割合は、過去3年以内に新たに受け入れた実習生の総数で割ります。ゼロなら+5点、10%未満または1人以下なら0点、20%未満または2人以下で−5点、20%以上または3人以上で−10点。届出や対応は 技能実習生が失踪したら に。

入力|④ 法令違反の有無最大5点(減点あり)
直近3年以内の失踪過去3年以内に新たに受け入れた実習生の総数で割ります
新たに受け入れた人 うち失踪

STEP 5⑤ 相談・支援体制【最大45点】

①の次に大きい45点。実績ではなく体制で取れるところです。ただし45点のうち25点は「実習の継続が困難になった実習生を、基本人数枠以上引き受けた実績」で、これがある会社はまれ。現実に狙えるのは20点だと思っておくのが安全です。

そのうち実習先変更支援サイトへの登録(10点)は、監理団体を通じて登録するだけで取れます。実際に引き受ける義務が生じるわけではなく、登録画面を印刷して申告書に添付します。

Ⅱの相談員は、外に頼むと点になりません

運用要領は、実習実施者自らが母国語に対応できる常勤または非常勤の職員を確保していることを求めています。派遣で受け入れている人は含めてよい一方、メールや電話の相談体制を委託で整えるやり方は認められません。社内にその国の言葉が分かる人がいれば、先輩の実習生でも通訳担当の社員でも構いません。監理団体が確保している相談員と同じ人を選ぶのも不可です。

入力|⑤ 相談・支援体制最大45点

STEP 6⑥ 地域社会との共生【最大10点】

日本語学習の支援=4点、その支援で認定日本語教育機関または登録日本語教員を使っている=3点、地域社会との交流の機会をアレンジ=3点、日本の文化を学ぶ機会をアレンジ=3点。足すと13点ですが上限は10点で、3つ取れば届きます。お祭りへの参加、地元の見学会、日本語の勉強を見てあげることなど、すでにやっている会社が多いところ。やっているのに申告書に書いていないだけ、という状態をまず疑ってください。

日本語の支援は、お金を出さなくても該当します

運用要領が挙げているのは、認定日本語教育機関へ通う費用の補助、登録日本語教員を招いての実施、自社で教材を用意して講習を行うこと、外部講師を招いての実施、日本語学校へ通う費用の補助の5つ。3つめのように、自社で教えるだけでも該当します。逆に、日本語学校を紹介するだけ、実習中に日本語だけの時間をつくるだけ、職員との日常会話を増やすだけ、では該当しません。上乗せの3点が付くのは、このうち認定日本語教育機関への通学費用の補助か、登録日本語教員を招いて実施した場合の2つだけです。

入力|⑥ 地域社会との共生最大10点
合計と内訳
① 技能等の修得等0点
② 体制0点
③ 待遇0点
④ 法令違反の有無0点
⑤ 相談・支援0点
⑥ 地域共生0点

この採点は配点表にもとづく概算です。実際の判定は、名簿や疎明資料をもとに外国人技能実習機構が行います。数え方に迷うところは監理団体にご確認ください。

結論:優良かどうかは、試験の合格率でほぼ決まります ①以外をどれだけ積んでも上限は80点(②10+③10+④5+⑤45+⑥10)。しかも⑤の25点を現実的でないと見て外すと上限は55点です。①で45点前後を作れるかどうかが、優良になれる会社となれない会社の分かれ目になります。

運用要領にはっきり書かれていないところ

数えていくと、必ず「ここはどっちなんだ」という所に当たります。調べたうえで、書かれていないものは「書かれていない」と書きます。いくつかは管轄の地方事務所に電話で聞いたので、その回答も併せて載せます。電話での案内は正式な照会ではなく、事務所によって言い方が変わることもあります。自社の申告では、監理団体または自分の管轄の地方事務所に確かめてください。

迷うところ分かっていること
1人が随時3級と随時2級の
学科に両方合格したら、
合格者は1人?2人?
運用要領は「2級、3級で分けず合格人数を合計したもの」としか書いておらず、同一人物が両方に合格した場合の数え方は明記がありません。地方事務所に聞いたところ、2人と数えるとの回答でした(2026年8月)。人ではなく合格の件数で足していく、という読み方になります。なお、合格実績は技能実習生(旧制度を含む)が受検して合格したものに限ること、「直近過去3年間」は申請時から遡った3年間で事業年度ではないことは、いずれも明記されています。
同じ試験に2回受けて
2回目で受かった人は?
これは書いてあります。1人が複数回受検した場合、最終的な合否を合格率の計算に算入します(=2回目で受かれば合格として数える)。
すでに帰国した実習生が
あとから受検した場合は?
これも書いてあります。旧制度で技能実習を終えて帰国済みの人が、短期滞在などで来日して随時3級の実技に合格した場合も、前段階の修了時における実習実施者の合格率・合格実績に算入します。
自社の社員を
技能検定委員に出せる?
試験の公平性から、受検者が所属する企業の在職者は検定委員に選任されません。ただし退職したOB・OGは可能で、その場合はⅣの5点の対象になります。
2号を修了して3号に進んだ人
①Ⅱの分母で2回数える?
式は「第2号修了者数+第3号修了者数」で、修了者数はその事業年度中に修了した人と定義されています。「同一人物を二重に数える」と明記した記述はありませんが、地方事務所の回答は修了した回数で数えるというものでした(2026年8月)。2号を修了して3号に移っただけなら1人。3号も修了して、その2つの年度がどちらも3年の窓に入っていれば2人です。
①Ⅳ 技能検定等への協力の
証明書類は何?
運用要領の確認対象の書類は申告書と別紙だけで、Ⅳ専用の添付書類は指定されていません。申告書には試験の職種名・試験実施機関名・協力の概要を書きます。地方事務所の回答は「添えたほうがよい。要らないとは書いていない」。ただし都道府県の職業能力開発協会は、この種の証明書を発行していないことがあります(山口県は発行していません)。その場合は受験案内など、会場や機材を提供した事実が分かるものを添えることになります。
①Ⅳ の「技能実習生にのみ
貸与している場合は含まない」
とは?
読み間違えやすいところです。外れるのは実習生に貸している場合、つまり自社の実習生に練習用の機材を貸しているだけ、といったもの。貸す相手が試験を実施する側(都道府県の職業能力開発協会など)であれば、その回の受検者が結果として自社の実習生だけであっても該当します。誰が受検するかは受検申請で決まるもので、会場を出す側が選べるものではありません。監理団体側の同じ項目には、この括弧自体がありません。
③Ⅰ 4月1日に第1号がいない
会社は、いつの賃金で比べる?
運用要領は「その技能実習事業年度内で適切に比較が可能な時期」としか書いていません。その時期を会社が選んでよいのかは明記がありません。なお、4月1日に第1号がいる会社は4月1日で固定で、後ろの時期を選ぶ余地はありません。
2027年4月以降に第3号へ進む
ときの優良の判定は?
第3号に進むには実習実施者が優良であることが必要ですが、施行日以降は技能実習計画の認定申請ができません。経過措置で3号に進める人(施行日時点で2号を1年以上)について、優良かどうかをいつ・どうやって判定するのかは読み取れませんでした。
「過去3年」の
起点が項目でちがう
①のⅠ・Ⅱの合格率は技能実習事業年度(4月1日〜翌3月31日)で数え、申請年度は含めません。一方、①Ⅱ※・①Ⅲ・②の講習受講歴・④の改善命令や失踪は申請日から遡った3年間です。さらに①Ⅳの協力実績だけは申請日から遡った1年間で、ここだけ窓が1年しかありません。同じ「過去3年」でも起点が違います。

出し方=優良要件適合申告書(参考様式第1-24号)

優良要件適合申告書に点数を書き込み、監理団体と内容を確認しているところ。項目ごとのチェックと、合格ラインに対する点数のイメージ。
  1. 様式に自社の点数を書く:参考様式第1-24号「優良要件適合申告書(実習実施者)」。各項目の内容欄と点数欄を、加点しない項目も含めて全部埋めます(申告しない項目は「0点」と書く)。
  2. 別紙の名簿を必ず付ける:参考様式第1-24号別紙「受検技能実習生名簿」。合格者・不合格者・不受検者の氏名を書きます。本体と名簿の食い違いが差し戻しの原因になりやすいところです。
  3. 疎明資料を添える:受講証明書の写し(②)、個室が分かる見取り図や雇用条件書(③Ⅲ)、ポータルサイトの登録画面の印刷(⑤Ⅳ)など。
  4. 技能実習計画の認定申請に添えて出す:申告書だけを単独で出す手続きではありません。添えるのは第3号の計画のときと、優良として人数枠を2倍で使いたいとき。団体監理型なら監理団体が申請書類を取りまとめ、外国人技能実習機構へ。認定申請は原則として実習開始予定日の4か月前までなので、そこから逆算します。

優良の「有効期限」はあるのか

いまの技能実習制度には、期限つきの「優良認定」という資格はありません。優良かどうかは技能実習計画の認定申請をするたびに、その時点の点数で判定されます。認定証も有効期間もなく、次の申請では次の3年間の実績で数え直しです。

「申請のたび」=技能実習計画の認定申請のこと 認定は実習生1人ごと・段階ごと(第1号/第2号/第3号)に受けるので、年に何回もあります。そのうち優良要件適合申告書を添えるのは、機構の提出書類一覧によると「第3号技能実習の場合」または「優良要件を満たすとして人数枠を拡大しようとする場合」の2つです。
だから「下がったら、その時点で優良ではなくなる」 運用要領は、一度優良と判断されたあとも6割以上の点数を保ち続ける必要があると書いています。合格率が下がって、他を足しても6割に届かなくなれば、優良として技能実習計画の認定を受けることができなくなります。人数枠2倍や第3号を前提に計画を立てていると、そこで止まります。

この「期限が無い代わりに毎回判定」というやり方は、2027年4月の育成就労で変わります。次の章で、はっきりした期限が付きます。

2027年4月、点数表はまるごと入れ替わる

今の150点の表は、いつまで使うのか

優良要件適合申告書は技能実習計画の認定申請の添付書類なので、この150点の表を使うのは「技能実習計画の認定申請をするとき」です。その申請に期限があります。

まとめると 150点の表を新しく使うのは2027年2月の申請まで。そこから先に新しく受け入れるなら、下の育成就労の表で判定されます。ただし技能実習のときの実績は育成就労の表に持ち越せるので、今から積むものが無駄になるわけではありません。

技能実習の人と育成就労の人が両方いるとき、どっちの優良が効くのか

2027年4月から数年は、同じ会社に技能実習で受け入れた人と、育成就労で受け入れた人が同時に在籍します。おおむね「技能実習計画には技能実習の優良、育成就労計画には育成就労の優良」ですが、人数枠だけは混ざります。具体例で見ます。

常勤職員20人の会社の例。技能実習1号・2号の5人と育成就労の3人は育成就労の人数枠に入り、合計8人。基本の枠は9人、優良なら18人。技能実習3号の2人は技能実習の人数枠で、育成就労の枠には数えない。
常勤職員20人の会社の例。1号・2号は育成就労の枠に合流し、3号だけが技能実習の枠に残ります。
在籍している人人数枠の扱い(施行後)
第1号・第2号
の技能実習生
「育成就労外国人の数」として計算します。つまり育成就労側の枠の中に入るので、その枠が広がるかどうかは育成就労の優良(4段階の表)で決まります。
第3号
の技能実習生
ここだけ別です。技能実習法・技能実習法施行規則による人数枠規制は受けますが、育成就労外国人の数としては計算せず、育成就労法の人数枠規制も受けません。
育成就労外国人育成就労の枠。優良かどうかは育成就労の優良で判定します。
読み替えると 施行後に「あと何人受け入れられるか」を数えるときの主役は、育成就労の優良のほうです。1号・2号で残っている技能実習生も、その枠の中で数えます。技能実習の優良(150点の表)が施行後も効くのは、3号技能実習生の枠と、そもそも3号に進めるかどうかの部分です。ただし施行後に3号へ進む人の優良をいつ判定するのかは、公表されている資料からは読み取れませんでした(はっきり書かれていないところ)。枠の数え方そのものは 人数枠の早見表 に。

育成就労で受け入れていなくても、この表になるのか

結論から言うと、育成就労で1人も受け入れていない間は、育成就労の表を使う場面が来ません。育成就労の優良は育成就労計画の認定申請のときに申告書を出して機構の確認を受ける仕組みなので、その申請をしなければ判定そのものが起きないからです。

ただし施行後に新しく外国人を受け入れるなら、それは育成就労になります(技能実習計画の認定申請は施行日以降できません)。そのときが、育成就労の表を使う最初の場面です。

最初の1回は「受入れ実績なし」の分類で判定されます 技能実習しかやってこなかった会社が初めて育成就労の申請をするときは、分類①「育成就労外国人の受入れ実績がない又は初回受入れから1年未満」に当たります。この分類では★印が付いた基準だけを数え、56点満点で40点以上。さらに項目ごとの足切りがあります。
項目満点必要★印だけで数える中身
Ⅰ 技能・日本語19点12点以上基礎級相当の技能試験の合格率(最大7点)+目標となる技能試験の合格率(最大10点)+技能検定等への協力(2点)。日本語の点はまだ入りません(A1相当は★★=受入れ1年以上から)
Ⅱ 体制・待遇・実施状況27点17点以上人権方針3点/送出機関への費用ゼロ4点/賃金と最低賃金の比較3点/住環境3点/母国語相談のマニュアル3点/母国語の相談員3点/実習先変更の受け入れ4点/変更情報サイトへの求人掲載4点
Ⅲ 地域社会との共生10点6点以上地域交流と日本文化の機会2点/帰国時の住民税の一括徴収か納税管理人4点/マイナ保険証の保有率100%で4点
ここが効きます Ⅰの19点は、ほぼ技能試験の合格率だけでできています。しかも技能実習生の技能検定の実績を含めて数えてよいと様式に書かれているので、いまの合格率がそのまま持ち込まれます。技能実習で合格率が低いまま来た会社は、初めての育成就労の申請でⅠの足切り(12点)でいきなり止まることになります。合計点では届いていても、です。
逆に言えば、2027年4月より前に技能検定の合格率を上げておくことが、そのまま育成就労の初回の点数になります。

育成就労の表は、考え方から違う

育成就労制度の運用要領で、優良な育成就労実施者の基準がすでに公表されています。今の150点満点の表とは、考え方から違います。

育成就労では「優良適合期間」という期限が付く

いまの技能実習と違って、育成就労ではいつからいつまで優良なのかが期間で決まります。ここは技能実習からの変化としていちばん実務に効くところなので、分けて書きます。

ここが技能実習といちばん違うところ 技能実習は「申請のたびに判定」でしたが、育成就労は期限つき+毎年の更新手続きになります。4月〜5月の実施状況報告書に添えるのを忘れると、点数が足りていても優良でなくなります。しかも監理支援機関が複数ある場合、申告書はどれか1つの実施状況報告書に添えれば足ります(全部に付ける必要はありません)。制度の全体像は 育成就労の準備技能実習からの移行 に。

今日からできること

  1. 一発アウトの2つを確認する:直近3年の改善命令の有無と、自社の責めによる失踪の有無。ここが当たっていたら、点数を数える前に監理団体と相談してください。
  2. ①で何点作れるかを、監理団体と決める:いちばん効くのはここです。基礎級の合格率(20点)、随時3級の実技の合格者数(Ⅱ※で最大20点)、学科の合格者(5点)。誰にいつ何を受けさせるかを、今年の計画に入れるところから始まります。
  3. 指導員・生活指導員の受講証明書を全員分そろえる(10点):1人でも未受講なら5点がゼロになります。名簿と証明書を突き合わせるだけの作業です。
  4. 実習先変更支援サイトへの登録を監理団体に依頼する(10点):登録画面の印刷が疎明資料になります。
  5. 母国語相談のマニュアルを作って周知し、相談員を決める(10点):相談員は監理団体が確保している人とは別の人を選びます。

3〜5だけで30点。ただし、そこだけ拾っても90点には届きません。2の「①で何点作るか」を決めない限り、優良にはなりません。

補足

点数の材料は、日々の記録の中にあります。

失踪の有無、受け入れた人数、賃金と昇給、誰が何年目で次にどの試験を受けるのか。優良の点数を数えるときに要る数字は、どれも日々の勤怠と在留の記録から出てきます。AMSTIは外国人材の勤怠・在留期限・労務書類をまとめて管理するシステム。技能実習日誌も出勤簿も、日々の出勤入力から1人ずつ整います。30日間無料(クレジットカード登録は不要)。

1か月無料ではじめる

クレジットカード登録は不要です。/登録せずにデモを触る機能と料金を見る
ご相談はメールで問い合わせ083-242-6157(平日 9:00〜17:00)

関連記事|受け入れの準備・しくみ

優良の点数に直接つながる記事から並べています。

ほかに 監理団体の選び方・変更(一般監理事業かどうか)と 技能実習生の受け入れ費用 もあります。