監査は2つ:組合監査と機構監査2026年10月確認
出典:技能実習法施行規則 第52条、技能実習制度運用要領 第5章・第9章、機構「実地検査へのご協力のお願い」。
組合監査で確かめる項目の一覧組合監査
現場=実習の現場を見る/報告=技能実習責任者と技能実習指導員から聞く/面談=実習生と話す/帳簿=設備と帳簿を見る/寮=宿泊施設を見る。出典:監査実施概要(参考様式第4-7号)。定期監査でも臨時監査でも、この様式を使います。様式には、法令違反の有無などを自由に書く欄もあります。
機構監査で指摘が多いところは、機構監査で指摘が多いところの節にあります。
組合監査には、定期監査と臨時監査がある組合監査
決まった項目を、5つの方法で確かめます。
計画の認定を取り消す理由に当たる疑いがあると、監理団体が認めたときです。
臨時監査になる例
計画どおりに実習をさせていない、という情報
不法就労の人を雇っているなど、違反の疑い
実習生の労働災害を起こしたなど、違反の疑い
きっかけは、会社からの報告や、実習生からの相談などです。臨時監査でも、疑いのあることに加えて定期監査と同じ項目を確かめれば、3か月に1回以上の監査の1回に数えます。出典:技能実習法施行規則 第52条第2号、技能実習制度運用要領 第5章。
1年のうちに来る回数
計画どおりか、出入国・労働の法令に違反していないかを確かめます。
1年目(第1号)の実習生がいる間だけです。定期監査とは別に来ます。
当日の作業、帳簿、実習生への聞き取り、寮を確かめます。
帯の数字は、実習を始めてからの月です(機構監査は年)。定期監査と機構監査の色の位置は例で、その月・その年に来ると決まっているわけではありません。出典:技能実習法施行規則 第52条、技能実習制度運用要領、機構「実地検査へのご協力のお願い」。
「3か月に1回以上」の数え方
入国後講習を始めた月から数えて、3か月ごとに少なくとも1回です。運用要領にある例です。
実習生との面談:何人と、何を聞くか組合監査
1回の監査で面談する人数です。決まりは「実習生の4分の1以上。2〜4人のときは2人以上」。何回かの監査で、全員と面談することが望ましいとされています。
面談で聞かれる質問の例
運用要領にある質問の例です。聞く内容は、項目の一覧の「面談」に●が付いた項目です。
面談で、違反の疑いが出たとき
相談の内容に、技能実習法違反などの疑いがある場合です。出典:技能実習制度運用要領 第5章。
帳簿と設備:計画と合っているかを見る組合監査
作業は、計画の中の実習実施予定表と照らし合わせます。職種ごとに国が決めた「必ず行う業務」に合っているかも確かめます。
事業所に出しておく書類
国の資料に、監査で出す書類の一覧はありません。確かめる項目と、機構の「外国人技能実習適正実施マニュアル」の点検表から、もとになる書類を並べました。残す期間は技能実習の書類一覧と保管期間、日誌の書き方は技能実習日誌の書き方、有給休暇は技能実習生の有給休暇の記事にあります。
監査の前に、電子で監理団体に出して確かめてもらうこともできます。
帳簿が事業所に備えてあるか、先に出した資料が実際と合っているかを見ます。
寮:見られる4つ組合監査
衛生の状況がよいか
1部屋に住む人数
不当な制限がないか
鍵付きの収納の有無
寮が離れた場所にいくつもあるときは、何回かの監査に分けて回ることがあります。寮の広さや備品の決まりは、技能実習生の寮・住居の記事にあります。
機構監査で指摘が多いところ機構監査2024年度の数字
機構監査(機構の実地検査)の結果です(2024年4月〜2025年3月)。
違反は全部で13,638件。1回の検査でいくつも違反があれば、全部を数えています。「その他」を除いて多い順に並べました。出典:令和6年度 外国人技能実習機構 業務統計(2025年10月7日公表)。軽微変更届=計画の小さな変更を機構に届け出る書類です。
組合監査で、重点的に確かめるもの
ハラスメント
国が「問題が生じやすい」と書いているものです。組合監査の定期監査では、ここを重点的に確かめることとされています。出典:技能実習制度運用要領 第5章(2026年4月版)。
労働基準監督署の監督指導では2025年の数字
労働基準監督署などが、法令違反が疑われる事業場に行った監督指導の結果です。技能実習生がいる事業場の全部の割合ではありません。実習生以外の人についての違反も含みます。何かの違反があったのは9,619事業場(73.2%)。出典:厚生労働省 2026年9月15日公表。
残業と割増賃金は技能実習生の残業・労働時間、健康診断は技能実習生の健康診断、有給休暇は技能実習生の有給休暇の記事にあります。
監査のあと:指摘されたら、どうなるか
組合監査のあと
法令違反があったとき
報告は監査報告書(省令様式第22号)で、会社の住所地を受け持つ機構の地方事務所・支所に出します。
機構へ報告
監理団体に報告
人権侵害の疑いは、臨時監査のあとの報告です。会社から報告を受けた監理団体は、監査などで事実を確かめます。出典:技能実習法 第16条、技能実習法施行規則 第52条第2号、技能実習制度運用要領 第4章・第5章。
機構監査で指摘されたら
改善報告書を出す
改善報告書で
法令違反などが認められなければ、そこで終わりです。出典:機構「実地検査へのご協力のお願い」、技能実習制度運用要領 第9章。
いつまでに直すか
機構の改善報告書の記載例は、3月1日付けの指摘を3月14日までに直して報告する形です。例であって、決まりではありません。
罰則と処分:直さなかったら、どうなるか
罰則が決まっている違反
または30万円以下の罰金労働基準法 第119条
または30万円以下の罰金技能実習法 第111条
認定の取消しの理由に
残業代は労働基準法 第37条、旅券・在留カードは技能実習法 第48条の違反です。会社の人が違反したときは、その人のほか、会社にも罰金があります(技能実習法 第113条)。出典:技能実習法 第108条〜第113条、技能実習制度運用要領 第10章、労働基準法 第119条。
指導・処分・刑罰は、別のもの
残業代の不払いなど
理由になる
受けられない刑の執行が終わった日
などから数える
刑罰は、行政が科す過料とは別のものです。過料=行政上の決まりを守らせるための、お金の制裁。技能実習法の過料は、機構の役員などについての決まりで、会社の違反には出てきません。出典:刑法 第9条、技能実習法 第10条・第16条・第114条・第115条、技能実習法施行令 第1条。
直さなかったら、だんだん重くなる
- 文書での指導
- 直して、改善報告書を出す
- 期限つきで、直すよう命じられる
- 公表される
- 直ったと国が確かめるまで、新しい認定なし
- いまいる実習生も、続けられない
- 公表される
- 取消しの日から5年間、新しい認定なし
国=出入国在留管理庁長官と厚生労働大臣。認定=技能実習計画の認定。出典:技能実習法 第15条・第16条、技能実習制度運用要領 第4章。
または30万円以下の罰金
改善命令や取消しも
出典:技能実習法 第16条・第111条、機構「実地検査へのご協力のお願い」、令和6年度 外国人技能実習機構 業務統計(2025年10月7日公表)。
監査の前に、会社がそろえること組合監査機構監査
決まりではなく、組合監査の日にすること5つから逆に考えた、この記事の提案です。機構監査でも、当日の作業・帳簿・実習生への聞き取り・寮を見ます。
育成就労になっても、監査は続く
育成就労は2027年4月1日に始まります。監理支援機関=いまの監理団体にあたる機関。出典:育成就労制度運用要領 第5章・第9章(2026年8月5日版)。
監理団体が監理支援機関になるための条件は、育成就労で監理団体はどうなる?の記事にあります。
よくある質問
組合監査と機構監査は、何が違う?
組合監査は、監理団体が3か月に1回以上行う監査です。機構監査は、外国人技能実習機構が3年に1回程度行う実地検査です。
機構監査で指摘されたら、罰則がある?
罰則が決まっているのは、帳簿を作らない、残業代を払わない、などの違反の中身です。直さないと、改善命令や計画の認定の取消しになることがあります。
機構監査の指摘は、いつまでに直す?
一律の日数は決まっていません。直したら、改善報告書を機構に出します。
組合監査の定期監査は、どのくらいの頻度で来る?
入国後講習を始めた月から数えて、3か月ごとに少なくとも1回です。1年目(第1号)の間は、別に毎月1回以上の訪問指導があります。
定期監査と臨時監査は、何が違う?
定期監査は、3か月に1回以上、決まって行います。臨時監査は、計画の認定を取り消す理由に当たる疑いがあるときに、すぐ行います。
組合監査では、実習生の全員と面談する?
実習生が2〜4人のときは、2人以上です。何回かの監査で、全員と面談することが望ましいとされています。
帳簿は、パソコンの中にあるものでもよい?
監査の前に、電子で監理団体に出して確かめてもらうこともできます。当日も、事業所に備えてあるかを確かめます。
組合監査で、現場に入れないときは?
立ち入りが難しい建設現場や食品工場などの場合です。現場の近くで実習生と面談する、元請の現場代理人から聞く、WEBカメラで作業を見る、などの方法があります。
組合監査の費用は、誰が払う?
監理費の4種類のうち「監査指導費」が、監査と指導にかかる人件費や交通費などです。くわしくは監理費の記事にあります。
育成就労になったら、監査はなくなる?
監理支援機関の定期監査(3か月に1回以上)と臨時監査があります。機構の実地検査も続きます。
2026年10月に確認した内容です。
補足
| この記事のもとになった決まり | 内容 |
|---|---|
| 技能実習法 第39条第3項 | 監理団体は、国が決めた基準に従って業務を行う(監査は、この記事の「組合監査」) |
| 施行規則 第52条第1号 | 定期監査。3か月に1回以上。実地の確認・報告・面談・設備と帳簿・宿泊施設の5つの方法 |
| 施行規則 第52条第2号 | 臨時監査。計画の認定を取り消す理由に当たる疑いがあるとき、直ちに |
| 施行規則 第52条第3号 | 訪問指導。第1号の間、1か月に1回以上 |
| 技能実習法 第42条 | 監理団体は、監査をしたら監査報告書を機構に出す |
| 技能実習法 第20条・施行規則 第22条 | 会社が作って事業所に備える帳簿 |
| 技能実習法 第14条 | 機構の実地検査(この記事の「機構監査」) |
| 技能実習法 第15条 | 改善命令。期限を決めて命じ、公表する |
| 技能実習法 第16条 | 計画の認定の取消し。公表する。取消しから5年間は新しい認定を受けられない(第10条) |
| 技能実習法 第10条・施行令 第1条 | 罰金の刑を受けた人・会社は、5年間、計画の認定を受けられない(欠格事由)。労働基準法 第119条(割増賃金)の罰金も入る |
| 技能実習法 第108条〜第113条 | 罰則(刑罰)。帳簿(第112条)、旅券・在留カードの保管と改善命令の違反(第111条)など |
| 労働基準法 第37条・第119条、同施行規則 第24条の7 | 割増賃金と罰則。年次有給休暇管理簿 |
- 定期監査の方法、面談、帳簿と設備、宿泊施設、臨時監査、訪問指導は、出入国在留管理庁・厚生労働省「技能実習制度 運用要領」第5章 監理団体の許可等(2026年4月版)によります。全体は運用要領のページにあります。条文はe-Gov法令検索で確かめました。
- 出しておく書類のうち労働の書類は、外国人技能実習機構「外国人技能実習適正実施マニュアル」(2022年3月)の点検表と、労働基準法・労働安全衛生法の決まりから並べました。
- 確かめる項目は、監査実施概要(参考様式第4-7号)によります。様式の言葉を、やさしい言い方に直しています。
- 機構の実地検査の回数と中身、文書での指導は、外国人技能実習機構「機構が行う実地検査」と、技能実習制度 運用要領 第9章によります。「組合監査」「機構監査」は現場での呼び名で、国の資料の言葉ではありません。
- 実地検査の数字は、令和6年度 外国人技能実習機構 業務統計(2025年10月7日公表)の「実地検査」によります。
- 労働基準監督署の数字は、厚生労働省「外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った令和7年の監督指導、送検等の状況」(2026年9月15日公表)によります。
- 育成就労の監査は、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」第5章 監理支援機関の許可等、実地検査は第9章(2026年8月5日版)によります。
- 2026年10月6日に確認しました。運用要領と様式は改訂されることがあります。個別の判断は、監理団体または外国人技能実習機構にご確認ください。
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